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GPIFに学ぶ長期投資 鉄則は分散とリバランス

2018/8/5

GPIFは国内株式の資産配分比率を引き上げた

 積み立て方式の少額投資非課税制度(つみたてNISA)の始まりなどを機に、長期投資への関心が高まりつつある。長期投資を実践する際は押さえておきたい原則がある。公的年金の運用を担い、国内最大級の機関投資家でもある年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が7月6日に発表した2017年度運用報告をもとにヒントを探った。

■年平均収益率3.1%

 公的年金の積立金(3月末で156兆円)は、GPIFが政府から預かり、金融市場で運用している。01年度に自主運用を始めてからの平均収益率をみると年3.1%。同期間の賃金上昇率(同マイナス0.2%)を大きく上回る水準だ。

 GPIFは年金財政を長持ちさせるため賃金上昇率を1.7%上回る運用を長期で求められており、これまでのところは順調。広木隆マネックス証券チーフ・ストラテジストは「長期の国際分散によりリスクを抑制しながら適度な収益を目指す手法は個人も見習いたい投資の大原則」という。

 まず大事なのが資産配分と収益率の関係だ。株式や債券など異なる資産クラスにどう資金を配分するかによって長期の運用成績は大きく左右されるからだ。

■国内債券の比率下げ、国内株式を上げ

 GPIFは基本とする資産配分比率を14年10月に変えた(図A)。それまで60%としていた国内債券の比率を引き下げ、代わりに国内外の株式を引き上げた。極端に利回りが低下した国内債券中心では運用が難しくなったからだ。

変更後の結果をみると15年度は株価下落を背景に5.3兆円の運用損が発生。16、17年度は反対に計18兆円の運用益になった。

 より長期間では資産配分の違いはどれほど成績に影響するのか。01年度から新旧それぞれの配分比率で運用していたと仮定して資産の増え方を試算した(図Aの折れ線)。株式を増やした新・配分比率は値動きのブレが大きい半面、資産が大きく増えている。

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