かごバッグ・帽子・日傘 夏ルックは3点小物が決め手
宮田理江のファッション戦略論
紫外線が気になるこの季節。帽子や日傘が手放せないという方も多いのではないでしょうか。実はおしゃれのムードメーカーとしての役割も大きい夏小物。かごバッグ、帽子、日傘の「夏小物3点セット」の使いこなし法を、ファッション・ジャーナリストの宮田理江さんが紹介します。
日差しがまぶしく感じられる季節となり、夏小物の出番が到来。紫外線よけや涼感プラスなど、夏小物は実用性が求められる半面、おしゃれのムードメーカーとしての役目も大きい。「かごバッグ、帽子、パラソル(日傘)」を使えば、手抜きに見えないサマールックに仕上がる。帽子・アクセサリーのブランド「Athena New York(アシーナ ニューヨーク)」の新作をヒントに、夏の装いに味わいや深みを添える小物使いを予習していこう。
かごバッグで印象づけるリラックスフェミニン
夏の風物詩的な存在となっているのが天然素材で編んだかごバッグ。軽やかさやヌケ感を装いに添えてくれる。小ぶりサイズのかごバッグに添えたホワイトタッセルが動くたびに揺れてフェミニンな印象に。優美なブリムのつば広帽子と、天然素材のコンビネーションを組み立てて、ナチュラルムードをまといたい。つばの前を少し折り上げると、顔に陰が落ちにくくなる。
カジュアルなデニムルックを退屈に見せない小道具としても、かごバッグは活躍する。帽子との合わせ技で視線を散らす効果を発揮。視線を引き込むつば広帽子と、持ち手や縁にレザーをあしらったかごバッグなら、大人っぽさを帯びたコーディネートに仕上がる。丸みを帯びたフォルムは愛らしい表情があり、ノースリーブのトップスにも朗らかさを添える。
パラソルで優しげロマンチックに
せっかく日傘を使うなら、服とのバランスを考えて、傘が浮かないようにしたい。フラワーレースを配した、ロマンチックなパラソルはシンプルな装いにも女っぽさをまとわせてくれる。
服の色から1色だけもらって、小物に生かすのが、全体を自然になじませるコツだ。パラソルにも使えるコーデ法則。黒っぽい日傘を使う人が珍しくないが、しっかりUV加工が施してあれば、ダークカラーでなくても日傘の役割を果たせる。
品格リボン帽子が演出する「360度レディー」
紫外線対策で切り札的な存在は、やはり帽子。小さく畳める帽子は、場面ごとに使い分けが利くから、バッグに忍ばせておきたくなる。定番モデル「Risako(リサコ)」は、上品な光沢を帯びたグログラン素材のリボンがエレガントな雰囲気をまとわせる。レディーライクな印象が際立ち、装い全体のイメージをシックに方向づけてくれる。斜めや後方からの視線も受け止める「360度ルック」に仕上がる。
夏小物は服の見栄えを補うキープレーヤー
「アシーナ ニューヨーク」は帽子デザイナーの大田祐子氏が1996年にニューヨークで設立した、帽子やアクセサリーのブランド。人生をポジティブに楽しむ女性をイメージしている。花や果物、自然などから着想を得た、クラシカルでナチュラルなテイストのデザインが広く支持されている。
かごバッグ、帽子、日傘は夏小物の3点セットとも呼べそうなほど、身近な存在。ファッションでもナチュラル志向が強まり、ポジティブなムードが打ち出されている中、小物を使った演出も試してみたくなる。丁寧に仕上げられた夏小物は、服の淡白な見栄えを補ってくれるから、おしゃれのキープレーヤーとして迎え入れていこう。
(画像協力 アシーナ ニューヨーク)
ファッションジャーナリスト、ファッションディレクター。多彩なメディアでランウェイリポートからトレンド情報、スタイリング指南などを発信。バイヤー、プレスなど業界経験を生かした、「買う側・着る側の気持ち」に目配りした解説が好評。自らのテレビ通版ブランドもプロデュース。セミナーやイベント出演も多い。 著書に「おしゃれの近道」「もっとおしゃれの近道」(ともに、学研パブリッシング)がある。
[nikkei WOMAN Online 2018年6月23日付記事を再構成]
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