プロの投資家 知ったかぶりで好機つかむ(苦瓜達郎)大和住銀投信投資顧問シニア・ファンドマネージャー

画像はイメージ=123RF
画像はイメージ=123RF
「プロの投資家は、浅い知識でいかに有用な結論を得られるかが勝負になる」

前回はプロの投資家として、個人的にあまりなじみのない分野でも自分なりの切り口を見つけて分析することが大事だとお話ししました。今回はなぜそういう考え方に至ったかを説明したいと思います。

私はもともと知ったかぶりが得意でした。そのために、ずいぶん人を不愉快にしたり、ちゃんとした学問が身につかなかったり、残念なことを多く体験しました。しかしながら、今となってはいいこともありました。マーケットや企業を分析する専門家としての天職を見つけることができたからです。

限られた知識でいかに有用な結論を得るか

前職である大和総研のアナリスト時代に、この能力は磨かれました。私は中小型株のうちサービス業を担当していたのですが、そもそもサービス業というのは「売っているのが物ではない」というだけの集合で、本質的にばらばらな業種の寄せ集めです。

従って、各業種固有の知識を深めるには限界があり、浅い知識でどこまで有用な結論を得られるか、ということが勝負になります。私のような知ったかぶりはむしろ向いているといえるでしょう。

しかも、担当企業のうち前任者から引き継いだのは二十数社だけで、大半は新規株式公開(IPO)の時点から手がける企業でした。ほとんどが業種的には初物で、スポーツクラブも、時間貸し駐車場も、人材派遣もすべて、日本においては初めて分析する立場になりました。私がサービス業を担当していたのは1990年代後半から2000年代初めまでですが、当時それだけ日本経済はサービス化が進んでいたということでしょう。

■自分で疑問を感じ、未然にリスクを防

さらにニッチな業種になると、同業他社が存在しないのでいつまでたっても分析対象が1業種1社ということもよくあります。そういった業種の場合、解説書などは存在せず、同業他社と接触することもできないので、基本的に会社側から提供される情報だけを手がかりに投資判断を下さざるを得ません。そんなニッチ業種ではビジネスモデル自体に致命的な問題があることもしばしばあります。リスクを未然に防ぐためには自分で疑問を感じ、自分の頭で結論を出すことが必要となるのです。

近づくキャッシュレス社会
ビジネスパーソンの住まいと暮らし