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肉の都フィレンツェ がっつりビステッカで猛暑に勝つ イタリア食紀行(下)

2018/8/2

イタリア中部・トスカーナ州の郷土料理といえば、ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ。良質な赤身の肉を炭火で焼いたTボーンステーキである。肉料理が有名なのは古代ローマ時代から高度な農業や肉食もしたエトルリア人が暮らした地であり、今もイタリアを代表する高級ブランド牛の産地だからに違いない。シンプルに焼くだけの料理だが、その分、モノをいうのが素材の味。「花の都」といわれる州都フィレンツェで、名物料理を堪能することにした。

日本と違いイタリアは湿度が低く、カラッとしているが、夏場の日差しの厳しさは変わらない。スタミナを保ち、夏バテを防ぐためにも、がっつりと肉を食すに限る。

そこで訪ねたのが今、地元で話題の店の一つ、トラットリア「ダッロステ(DALL’OSTE)」。フィレンツェの街のシンボル、ドゥオモ(サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂)に程近い路地裏にあった。フィレンツェの玄関口、サンタ・マリア・ノヴェッラ駅近くにすでにある店の2号店として約1年半前にオープンした。現在はフィレンツェに3号店までできた新進気鋭のステーキハウスである。

店頭で客を出迎えるナイフのオブジェ メタリックな不気味な輝きがインパクト大

とにかくこの店は客の想像力をかきたてる演出力にたけている。まずは店頭に置かれた巨大なナタのようなナイフのオブジェ。オブジェの刃が放つメタリックな輝きが印象的でぎょっとする。店内に一歩足を踏み込むと、今度は巨大な肉の塊が目に飛び込んでくる。入り口付近の客席横に広がる冷蔵ショーケースには塊がいくつもぶら下がり、迫力満点。食す前からすでに気分が高揚するのが分かる。

イタリアではアンティパスト(前菜)、プリモ(パスタやリゾット、スープ)、セコンド(日本でいうメーン)の順にメニューが記載されているのが一般的だが、この店は違う。まず初めにくるのがメーンのビステッカ。次に地元の別の伝統料理が続き、最後がプリモと順番がさかさまになっている。「この店のコンセプトは肉文化を伝えること。肉に特化したレストランだからです」。店のオーナー、アントニオ・ベルペリオさんの説明を聞いて、納得した。

店のオーナー、アントニオ・ベルペリオさん 客席横には熟成中の巨大な肉の塊がぶら下がる

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