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オリーブ油は使わない? ペペロンチーノいための極意 男のパスタ道(3)

2018/7/29

ペペロンチーノの検討事項は多い=PIXTA

 日本経済新聞出版社の新書、日経プレミアシリーズ『男のパスタ道』からの第3回目。ペペロンチーノの検討事項は多い。パスタの選び方、塩の入れ具合、ゆで方、そして「最高のオイルソースの作り方」だ。ペペロンチーノのオイルソースは、油とニンニク、唐辛子で構成される。では、油としてどんなものが最適なのか考えてみよう。

 レシピ本や雑誌、ウェブサイトのレシピなどを見ると、さまざまな論争があるが、使用する油については、大きく2つの派閥に分かれるようだ。「エクストラ・ヴァージンオリーブオイル」派と、「ピュア・オリーブオイル」派である。つまり、「ヴァージン・オリーブオイル」と「精製オリーブオイル」だ。

 ヴァージン・オリーブオイルは、オリーブの実を粉砕・圧搾、あるいは遠心分離機にかけるなどして作られるものだ。エクストラ・ヴァージンオリーブオイルは、こちらの分類に入る。

 一方、精製オリーブオイルには、質の悪いヴァージン・オリーブオイルから不快な味や臭いをもたらす酸類などを化学的な処理で取り除いたものと、ヴァージン・オリーブオイルのしぼりかすに有機溶剤を加えて油の成分を溶け込ませ、溶剤だけ蒸発させて抽出したものの2種類がある。日本でピュア・オリーブオイルと呼ばれている油は、この精製オリーブオイルにヴァージン・オリーブオイルをブレンドしたものだ。

 かたやピュア・オリーブオイルの実本体の味と香りをいかす製法で作られ、品質も最高峰のエクストラ・ヴァージンオリーブオイル。かたや化学的に精製したオリーブオイルがベースのピュア・オリーブオイル。ここだけ見ると、もう勝負あったように見える。王座にふさわしいのは前者だろう。ところが、そう簡単な話ではないのである。

 ピュア・オリーブオイルはの人たちの言い分はこうだ。たしかにエクストラ・ヴァージン・オリーブオイルの品質はすばらしく、生食用にはふさわしい。しかし、ペペロンチーノのようにオイルを加熱する場合、苦味や辛味が強くなりすぎてしまうのだ、と。それは本当なのだろうか。そこで両者を加熱して味を比べてみた。

 オイルは180度まで加熱した。ペペロンチーノを作るときはニンニクが色づくまでに火にかけるため、油はそれぐらいの温度になる。

 加熱したエクストラ・ヴァージン・オリーブオイルをなめると、いきなり苦く、そのあと喉が焼けるように辛い。いわゆる「油焼け」した不快な味や臭い、べたつきがある。たしかに決しておいしいとは言えない。加熱は酸化を促進する。この焼けた油独特の味や臭い、ベタつきは油の酸化によるものだ。

 一方のピュア・オリーブオイルは、エクストラ・ヴァージンのような苦味や辛味はないものの、やはり焼けた油のいやな臭いと味、ベタつきが気になる。こちらの方がペペロンチーノに最適という感じでもなかった。

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