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触角揺らし「いらっしゃい」 エビと魚の不思議な共生

日経ナショナル ジオグラフィック社

2018/8/1

ナショナルジオグラフィック日本版

クマノミとイソギンチャク、鳥とカバのように、異なる種が共生する例はいくつかあるが、実際に合図を出し合ってコミュニケーションする、エビと魚の姿が映像に収められた。

エビは、触角の動きで、魚に向かって魚の体についた寄生虫などを食べるサービスをアピール。呼びかけられた魚の方も「掃除して」とエビに伝える様子を動画で見ていただこう。

米デューク大学の博士研究員、エレナー・ケイブズ氏の研究チームは、オランダ領キュラソー島にある観察所で、エビと10種の魚が出会うところを、199回にわたって分析した。最も多く観測された魚は、ベニヒメジの仲間であるスポッテッドゴートフィッシュと、ニザダイの仲間のオーシャンサージョンだった。

魚がエビに近づいて体を動かさずにじっとすると、エビは触角を振って、掃除をする意志がある(そしておいしい寄生虫のご飯にありつく)ことを伝える。すると魚は通常、体色を暗く変化させて、掃除をして欲しいという意志を示す。

触角を振ったエビのうち、やってきた魚の寄生虫を掃除したのは8割にのぼった。エビが触角を振らなかったとしても、魚がすぐに体色を暗く変化させると、掃除をしてもらえる確率は3倍になった。

クリーナーシュリンプは色を認識できず、明暗しか認識できないと思われるため、魚が体色を変えるのは、よくわかる合図になるとケイブズ氏は言う。

魚がなぜ獲物となるエビに自分のうろこやえらを掃除させて、さらには口の中に入ってくる相手まで食べずにおくのか不思議だ。

「サンゴ礁に生息する魚は大量の寄生虫にたかられるため、掃除をしてくれる生物がいなければ健康を害する可能性があります」と、米オーバーン大学の海洋生物学者、ナネット・チャドウィック氏は言う。そのため彼らは、食物や交尾よりも掃除を優先させるほどなのだという。

米国自然博物館のベンジャミン・タイタス氏によると、ぺダーソンシュリンプは「献身的な掃除屋」で、生涯のすべてをこの仕事にささげているという。主に寄生虫を食べるが、傷ついて死んだ組織も取り除いてくれるため、傷の治癒も促進される。

(日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック 2018年7月11日付記事を再構成]

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