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内視鏡で異常なし なぜか続く胃の不快感の原因は… 機能性ディスペプシア(上)

日経ヘルス

2018/8/17

(イラスト:谷小夏)
日経ヘルス

内視鏡検査で異常はないのにもかかわらず、胃もたれや胃痛などの不調がずっと続いている……。そんな胃の病気である機能性ディスペプシア(FD)は、ストレス対策、生活改善、薬による治療の3つの対策で治せるという。3回に分けて紹介する。1回目は、FDがどんな病気かを見ていこう。

◇  ◇  ◇

仕事のプレッシャーで胃がキリキリ……。ストレスから胃の調子が一時的におかしくなる経験は誰にでもあるだろう。でも、そんな症状が慢性的に続いているようなら、胃の病気かも。最近、増えているのが「機能性ディスペプシア(FD)」だ。

*FDとIBSの両方を持つ6人を含むため、合計は387人(グラフ:増田真一)

機能性とは「働き」、ディスペプシアとは「消化不良」を意味する。つまり、がんや潰瘍などの異常はないのに、胃の働きが低下して不快な症状が続く状態がFDだ。「以前は慢性胃炎と診断されたり、『気のせい』と言われたりすることも多かった。日本人の1、2割が該当する、ありふれた病気」と兵庫医科大学内科学消化管科の三輪洋人教授。胃の不調で消化器内科を受診した人の約半数がFDだったとの報告もある。

典型的な症状は、すぐお腹がいっぱいになって少ししか食べられない、食後に胃がもたれる、胃の痛みや灼熱感がある、というもの。「通常、胃に食べ物が入ると、胃の上部が緩んで広がる。これは食べ物を多くため込もうという、大昔の飢餓の名残。ハムスターの頬袋が膨らむのと似ている」と三輪教授。だが胃が膨らまず、また胃の運動も低下しているため、すぐに満腹感を覚えたり、胃もたれが起こったりする。また痛みは胃が胃酸などに対して敏感になる「知覚過敏」が原因と考えられている。

(図:三弓素青)
(図:三弓素青)

「胃の機能は自律神経に左右されるため、ストレスを受けると働きが低下する」と北里大学東洋医学総合研究所の及川哲郎副所長。食事や睡眠不足、喫煙、ピロリ菌感染なども原因になる。

胃の症状が週に2回以上、3カ月ほど続いているなら、受診をしてみてほしい。内視鏡検査で異常がないとわかればFDと診断される。

(図:三弓素青)
三輪洋人さん
兵庫医科大学(兵庫県西宮市)内科学消化管科教授。1982年鹿児島大学医学部卒業。専門は消化器内科。日本消化器病学会「機能性消化管疾患診療ガイドライン─機能性ディスペプシア(FD)作成委員会」委員長も務める。
及川哲郎さん
北里大学東洋医学総合研究所(東京都港区)副所長(臨床准教授)。1986年浜松医科大学卒業。専門は漢方全般、内科、消化器。日本東洋医学会認定漢方専門医・指導医。日本消化器病学会消化器病専門医など。

(ライター:佐田節子)

[日経ヘルス2018年8月号の記事を再構成]

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