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「場当たり」整備の競技場 五輪後の採算考えているか ドーム社長 安田秀一氏

2018/7/25

2020年の東京五輪に向けて建設が進む有明体操競技場(7月11日、東京都江東区)=共同

2020年東京五輪・パラリンピックの開幕まで2年。明確な哲学や理念が見えないと指摘するのがドーム社長の安田秀一氏です。米スポーツブランド「アンダーアーマー」の日本総代理店である同社を創業する一方、元アスリートの視点からも歯に衣(きぬ)着せぬ発言を続けています。五輪について「日本的なあいまいなやり方で、なし崩し的に大会の準備が進んでいる」と記したコラムの前編(「『メダル数争いやめよ」 アスリート起業家、五輪を斬る」)を、後編ではさらに掘り下げます。

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ドーム社長の安田秀一氏

日本的なやり方の象徴と考えられるのが、場当たり的に整備される競技施設です。東京・有明のドーム本社からも、体操競技場の建設現場が一望できます。200億円以上かけて1万2000人を収容する施設を建設。大会後は都に譲渡して、展示場として10年程度、利用することになっているそうです。

もともと体操競技場は仮設施設として組織委の予算で建設し、大会後は取り壊すことになっていました。ところが、建設費が膨らんで組織委で賄うことが難しくなったため、都も資金を出すことになり、その理由付けとして大会後の展示場としての活用が決まったそうです。正に場当たり的で、そこにはビジョンが感じられません。

本来なら都が責任を持って恒久施設として建設すべきものだと思います。展示場としての需要があり、それを満たすために造られた施設を五輪の会場として借りるのなら何も問題は無いでしょう。もちろん、スポーツを楽しむアリーナとして整備しても構いません。五輪会場の維持に関しては、負のレガシーなどといわれたりしますが、正しい方法をとれば持続可能な施設として運営できます。スポーツはそれだけの力を持つものだと僕は信じています。

■英国「サッカーの聖地」では…

さらに言えば、体操競技場の完成予想図を見てみると、デザインを重視してか、施設の客席のすり鉢状の下の部分は空洞で、近代アリーナの基本ともいえる空間の有効活用ができていません。欧米ではこうしたスポーツの競技会場は「巨大な飲食店」とも例えられるくらい、飲食部分の専有面積が大きく割かれています。

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