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野村ホールディングスの永井浩二グループCEO

野村ホールディングスの永井浩二グループCEO

野村ホールディングス(HD)の永井浩二グループ最高経営責任者(CEO)は2012年に同社で発覚した公募増資インサイダー取引問題を受けて登板。信頼回復と収益基盤の立て直しを進めてきた。国内のたたき上げで、海外経験は無いながらも世界約2万8千人の従業員をまとめあげるリーダーの手腕に迫る。

組合時代に培ったマネジメント力

――日本最大の証券会社によるインサイダー問題は世間を揺るがしました。

「原因の一つが縦割り組織の問題でした。おかしいと思っていたことが縦割りの中でおかしいまま温存されていたのです。そこで野村をつくり直そうと決意しました。例えば、個人営業部門では金太郎あめのように金融商品販売をしていました。これではお客さまの利益を第一に成長してきた野村の根本すら否定することになります。ブローカレッジ(売買仲介)に依存しないコンサルティング営業と預かり残高重視というスローガンをきちんと打ち立てました」

「当時の私はHD子会社である野村証券の社長。HDのCEOだった渡部賢一さんと一緒に混乱収拾の陣頭指揮に当たりました。誰に言われるともなく、(次期CEOの)バトンタッチの心の準備はできていきました。社内はおもちゃ箱をひっくり返したような騒ぎでしたが、1990年代前半に経験した従業員組合の委員長のときに比べれば経験値も上がっており、つらくはなかったのです」

――組織をマネジメントする力は従業員組合時代に培ったのですか。

「若い時のつらい経験は人間の耐性を高めてくれます。強烈だったのが組合です。当時、『ミディさん』と呼ばれる女性の営業部隊を従業員組合に加入させようとしたのですが、組合内部からも一部の女性営業社員からも反対が出ました。1年以上かけて全国をまわりました」

「そして、最後に迎えた全支部の代表を呼んで決議する日。当時私を含めて7人の執行委員がいたのですが、ランチの最中に急に他の6人が私のところにきて『無理だから決議をとりやめましょう』と迫ってきました。この瞬間、ああ味方はゼロになったと思いましたが、すぐに彼らに問いかけました。『我々は悪いことをやっているのか』『私心はあるのか』と。6人を逆に説得して代表会議で加入を決議しました」

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