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アキラ100% 「裸ネタだけで10年生き残りたい」

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NIKKEI STYLE

全裸に蝶ネクタイ、アルミのお盆で巧みに股間を隠す芸でお茶の間の顔になったアキラ100%が「お笑い芸人人気ランキング2018年版」を大いににぎわせた。結果に対する率直な感想、ポロリ事件の影響、今後の身の振り方など、大いに語ってもらった。

ランキング初登場にして「嫌いな芸人」「これから1年で消えると思う芸人」1位、「この1年で最もブレイクした芸人」2位と3部門で上位に入ったアキラ100%。この結果を本人に直撃。

「(ランキング表を見ながら)いや~、3冠達成までもう一歩でしたね(笑)。もともと賛否両論あるネタをやっているので、嫌がられるのを気にしていられないというのが本音ですけど、こんなに票が入るとは(笑)。でも裏を返せば、多くの人に印象を与えているってことですし、芸能界にいる者として、貴さん(=石橋貴明)と同票で1位というのもうれしさがあります。

気になるのは『これから1年で消える』のほう。ただ変な話、『消える』のランキングに来年も選ばれれば『消えてない』ということだから、毎年ここに名前が挙がって、『あいつギリギリ生き残ってるな』って言われ続けたいです。

『ブレイク』の2位は惜しいなー。でも1位のブルゾン(ちえみ)は、この1年もすごい活躍でしたもんね。今やファッションリーダー的なイメージもあって、インスタもいろんなところで取り上げられていましたし。僕もインスタやってるんですが、ほとんど(肌の)ペールオレンジで占められていて、インスタ映えしないんですよね(笑)」

お盆芸でテレビ出演するようになったのは15年頃から。その後、16年大みそかの『絶対に笑ってはいけない科学博士24時!』(日本テレビ系)で俳優の原田龍二を巻き込みながら2人でお盆芸を披露したほか、17年2月の『R‐1ぐらんぷり』で優勝したことで認知度が急上昇。セクハラやパワハラに対する世間の目が厳しくなる一方で、活躍は衰えを知らず、今も様々なバラエティにコンスタントに出続けている。

窮地では意外な発見も

「今年で裸になって4年目なんですけど、僕自身もここまで裸ネタでやれるとは思ってなかったです。でも、コンプライアンスが厳しい時代だからこそ、反動で出させてもらっているのかもしれない。もしおおらかな時代だったら、『そんな奴いっぱいいるじゃん』って思われるだけだったかも。こんな格好でエラそうに言ってなんですが(笑)、誰かをバカにするようなネタではないですし、ギリギリ感があるところがいまだにお声をかけてもらえてる理由なのかなと思います。

この1年はいろんな仕事をさせてもらいましたが、冬場の北海道ロケがなかったのは残念でした。さっぽろ雪まつりの営業とか期待していたんですよ。(とにかく明るい)安村さんや小島よしおさんは冬の北海道の営業に呼ばれているので、僕にも来ると思ってた。『寒い寒い寒い!!』ってシミュレーションまでしていたんですけど、なぜか全然呼ばれなくて(笑)。今年の冬はお待ちしています!

一番キツかったのは『金曜★ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)のドッキリですね。営業先で私服がなくなって、敷地内をコソコソ全裸で隠れながら楽屋まで戻るっていう(笑)。さらに別の日に打ち合わせをしていたら、スタッフが間違えて僕の小道具が入ったカバンをトラックに積んじゃったっていうドッキリもあって。『お盆がなくなったから、何か代わりになるものを探しましょう』って、無茶苦茶なことを言うんですよ! タイヤのホイールとか提案されたんですけど、完全に隙間が空いてるじゃないですか(笑)。他にはビニール傘とかバランスボールとか。最終的に植木鉢の受け皿でやったんですけど、これがやりやすかったのはちょっとした発見でした(笑)。

窮地の時って意外と発見があるんですよ。スタッフが持ってきた代用品の中におたまがあったんですけど、それをお尻のほうから刺して野球選手のファールカップみたいにして見せるのを営業でやったら爆発的にウケたので、本ネタに組み込みました。ドッキリ自体には驚きましたが、ケガの功名ですね(笑)」

 18年は元日からネットをバズらせたのも記憶に新しい。股間の前で3つの箱を入れ替える曲芸を生放送中に失敗。この珍事件をブログでお詫びするハメに。

「以前から周りの芸人に『失敗するとしたら正月しかないね!』なんて言われていたんですけど、まさか現実になるとは! って感じでした、あれは。今だから落ち着いて言えますが、僕自身、『芸能人生終わった』って思いましたね。

スタッフの方々は大変だったと思うんですが、僕には温かい言葉をかけてくださって、以降もテレビに出させてもらっているので、お目こぼしいただけたのかなと。ただあれから生放送でネタをやることは無くなりましたね(笑)」

珍事件はさておき、スタジオやロケ先では必然的に全裸でいることが多いため、体調面での悪影響を心配すると、「それが、いたって健康で」と意外な答え。

「"裸芸人あるある"なのかもしれませんが、安村さんや小島さんに会うと、『風邪引いてないね』っていう話になるんです(笑)。常に裸で風に当たってるんで、少しずつ体が強くなってるのかも。寒風摩擦に近い効果というか(笑)。ただ困った面もあって、服を着て収録すると、めちゃくちゃ暑いんです。体温調節機能がおかしくなってるんですよ」

着たらもっとすごい!?

もともと俳優志望で小劇団に所属していたこともあり、その演技力を生かした仕事も徐々に増えてきた。『痛快TV スカッとジャパン』(フジテレビ系)ではたびたび再現ドラマに登場。19年公開予定の映画『こはく』(横尾初喜監督)では主演・井浦新の兄役を演じる。

「ちらほらそういう新しいお仕事をいただいたりするのはありがたいです。『スーツ着たら普通だね』とか『スーツ似合うね』っていう声もツイッターでは見かけますし。ちょっとずつ僕の違う一面を見てもらって、『嫌い』というイメージが変わっていってくれればいいんですけどね」

仕事の幅も広がるなか、今後どんな存在をイメージしているのか。

「もっと僕のことを知ってほしいので、基本は裸ネタを続けてやっていきたいと思っています。海外でもタオルで隠したり、フライパンで隠す人たちがいるんですけど、みんな2人組以上でやっていて、1人で掘り続ける人ってあんまりいないんです。このまま10年続いたら、裸ネタだけで10年生き残った奴になれるんで、まずはそこを目指したいですね(笑)。

あとは『好きな芸人』と『嫌いな芸人』、両方のランキングに入りたい。トレンディドラマでも、『最初嫌いだったけど、だんだん好きになっていく』っていう展開があるじゃないですか。『服を着てもやるな』というところから、ちょっとずつ存在感を示していけたらと思います」

(ライター 遠藤敏文)

[日経エンタテインメント! 2018年7月号の記事を再構成]

※「この1年で最もブレイクした芸人」は8月1日(水)、「これから1年で消えると思う芸人」は8月2日(木)にランキング記事を公開予定です。

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