駅近・公園泊・夜景…ユニーク立地のグランピング5選
2018年グランピング事情(第3回)
グランピングというと施設自体に注目が集まるが、施設を取り囲む周辺環境も非常に重要な要素となる。今回は「非日常感」が味わえるグランピング施設を見ていきたい。
高台から海を見下ろせる駅近グランピング施設
「こんな近場で本格的なグランピング体験ができるなんて」と宿泊者を驚かせているのが、鎌倉市内にある「THE OUT 鎌倉オーシャンビュー・グランピングリゾート」。山の斜面の広い敷地を1日1組貸し切りで利用できる施設だ。テントエリア、ファイヤープレイス、フォレストキッチンといくつかの区画に分かれており、そのどこからでも樹々越しに湘南の海を見下ろすことができる。本当は広く伐採してしまったほうがオーシャンビューとしての展望はよくなるのだが、あえて手を入れ過ぎないように残しているのだという。海を眺めながらの森林浴という体験ができる貴重な空間だ。
山中のグランピングとなると、かなり遠出が必要かと思いきや、徒歩10分程で江ノ電稲村ヶ崎駅というアクセス便利な立地。車なしでも来やすい場所だ。
オプションで、タイ古式マッサージやアロマオイルトリートメント等の伝統療法トリートメントを受けることもできる。ぐるり緑に囲まれ、心地良い風が吹く屋外で自然を感じながら受ける施術は格別。心地良さに寝てしまう人も多いという。
住所:神奈川県鎌倉市稲村ガ崎2-1-25
電話番号:080-1126-0273
アクセス:稲村ケ崎駅から徒歩10分
タイプ:テント
営業期間:通年
料金一例:3万円(2人)ほか
公式サイト:http://theout.jp/01/
駅徒歩圏で奥多摩の自然を満喫
海ではなく、眼下に多摩川の渓流が流れる風景に心癒やされる施設もある。日帰り利用の「奥多摩グランピング リバーテラス」だ。渓流すぐ脇の斜面に作られた広いウッドデッキのテラスは3カ所。それぞれにタープ、テーブルやソファ、ハンモックなどが設置されていて各テラスを1組(4~10人)で貸し切り利用できる。
営業時間は10時から15時半までなので、早い時間にチェックインすれば5時間以上滞在できる。このテラスを拠点に渓流で川遊びしたり、少し上流に歩けば滝巡りなどもでき、おなかがほどよくすいたところで奥多摩産シカ肉のBBQや秋川牛ステーキなどこだわり地元素材のランチ。遊び疲れたらウッドテラスのハンモックでお昼寝も。渓流の音をBGMに、至福のひとときとなるだろう。
週末にたっぷり奥多摩の自然を満喫できる施設だが、実はこちらも最寄り駅であるJR青梅線の古里駅から徒歩圏内。手ぶらでいいので女性同士のグループでも楽しめる。清涼な山の空気をたっぷり吸って日頃のストレスをきれいさっぱり吹き飛ばすのに絶好のロケーションだ。
住所:東京都奥多摩町棚澤16-1
電話番号:090-3518-2516
アクセス:JR青梅線古里駅より徒歩13分
タイプ:ウッドデッキ+タープ(日帰り利用)
営業期間:通年
料金一例:9815円/人(税別)から
公式サイト:http://www.cafekuala.jp/glamping
房総の山中でも女性が安心して使える
「女性のためのアウトドア空間」を掲げたグランピング施設もある。房総半島の観光名所・養老渓谷にある「REWILD RIVER SIDE GLAMPING HILL」で、2018年春にオープンしたばかりの新しいキャンプ場だ。女性のためにデザインされた施設だが決して「男性お断り」なわけではない。女性の同伴であれば利用可能で、家族利用も多いようだ。
房総半島の山の中だが、きれいに整備された広い芝生がテントサイトとなっており、敷地内には子供も遊べる小川が流れ、散策路を少し歩けば滝もある。
夜にはサイト全体が美しくライトアップされ、インスタ映えすると好評。ライトアップは好みが分かれる部分だが、キャンプ未経験者や真っ暗な夜はちょっと苦手という人が多いグループの場合には、山深い場所でアップダウンもある林間の施設より、ある程度開けたフラットなサイトで、照明設備がしっかり整っているほうが夜も不安感なく屋外でくつろげるはず。ここは、すぐ近くに露天風呂付きの日帰り温泉施設があり、周辺環境も安心だ。
周辺環境や照明の明るさ、夜の雰囲気などは公式サイトやパンフレットだけでは把握できない場合も多いが、キャンプ場専門情報サイトなら実際に利用した人の口コミ情報から参考情報も見つかるはず。女性同士あるいは子供連れでも安心・快適に過ごせる場所かどうか、しっかりチェックして選ぼう。
住所:千葉県夷隅郡大多喜町粟又183-1
電話番号:03-3668-9411
アクセス:木更津東ICから約40分
タイプ:テント
営業期間:4月~12月中旬予定
料金一例:4万円/テント一泊(2~4人)朝食込み/夕食はオプション
公式サイト:http://rewild-camping.com/glamping/riversidehill/
公園に泊まるという非日常体験
「非日常感」は、必ずしも隔絶された山奥などだけに存在するわけではない。海外サイトでも紹介されている「泊まれる公園 INN THE PARK」はその名の通り、公園の中に泊まれてしまうレアな体験ができるグランピング施設だ。
場所は静岡県沼津市の高台。もともとは林間学校として使われていた施設をリノベーションし、2017年10月にオープンした。
東名高速の沼津インターチェンジからほど近く、首都圏からの利用者が多いとのこと。早めにチェックインし、夏ならちょっと早い時間からビールで乾杯しくつろぎタイムに。芝生広場でのヨガや、親子で参加できるワークショップなど、公園を活かしたアクティビティもいろいろ開催されている。翌朝早起きして、ほとんど人のいない早朝の公園を散策してみるのも新鮮でいいかもしれない。きっと一生の中でもっとも公園にどっぷり浸かりきる2日間になるはずだ。
そして公園に泊まる体験をさらにエキサイティングにしてくれるのが、樹々の間にワイヤーロープで固定された球体型テント。中にはベッド2台が入っており、大人二人の他、幼い子供であれば添い寝で一緒に泊まることもできる。このテントを一度体験してみたいとやってくる人も少なくないそう。
また林間学校時代には大食堂だったところをサロンカフェに、飯ごう炊飯していた場所を屋外ダイニングにとリノベーションしており、スタイリッシュな中にも懐かしさ感じるインテリアやオブジェなどが配置されている。昔の林間学校を体験した世代にとっては懐かしい子供時代の思い出が蘇ってくる、そんな場所にもなる。
住所:静岡県沼津市足高220-4
電話番号:055-939-8366
アクセス:JR沼津駅からタクシーで約7km(約18分)/沼津ICから約9分
タイプ:テント
営業期間:冬季は未定
料金一例:1万4040円/人(2人利用時)から
公式サイト:https://www.innthepark.jp/
ベイエリアの夜景に包まれてBBQを楽しむ
最後に紹介するのは、東京都内で今ホットなエリア、新豊洲の海沿い1.6ヘクタールという広大な土地に作られた都市型アウトドアパーク「WILD MAGIC - The Rainbow Farm-」だ。オープンから5年が経過した2017年に全面リニューアルし、おしゃれな日帰りBBQが楽しめる話題スポットとしてさらに注目を集めている。
一歩入れば、まるで別世界に転がり込んだかのようなスタイリッシュな空間が広がる。大小さまざまな形状のティピーテントが立ち並ぶ「ヴィレッジエリア」、中央にファイヤーピットを設置したき火を囲んでのキャンプ気分が楽しめる「ファイヤーピットエリア」など複数のエリアに分かれており、フォトジェニックなスポットも至る所にある。
そんなWILD MAGICを取り囲む環境は「東京ベイエリアの夜景」だ。新豊洲から太い運河を挟んだ対岸には晴海や勝どきがあり、ベイエリアの湾岸タワーマンション群がさんさんと輝きながらそびえたつ。その手前にはテント群。このミスマッチの妙とも言える魅力ある風景が楽しめるのも大都会のグランピング施設ならでは。家族や友達同士だけでなく、大人数でも使える広い屋根付きスペースも用意されている。ゆりかもめ新豊洲駅からなら徒歩1分で東京都心勤務なら平日仕事帰りでも楽に行ける場所。「大都会でアウトドア」する非日常感を味わうべく、職場の暑気払いなど企画してみてはどうだろう。
住所:東京都江東区豊洲6-1-23
電話番号:─
アクセス:ゆりかもめ新豊洲駅徒歩1分/東京メトロ豊洲駅徒歩10分
タイプ:テント・タープ(日帰り利用)
営業期間:期間限定(2018年は3月1日から)
料金一例:スタンダードBBQプラン+飲み放題8000円/人
公式サイト:http://wildmagic.jp/
(ライター 和田亜希子)
第1回 グランピングで快適に非日常体験 宿泊はトレーラーも
第2回 専属シェフにジビエも 食事充実のグランピング6選
第3回 駅近・公園泊・夜景…ユニーク立地のグランピング5選
第4回 ここでしかできない「体験」が魅力のグランピング(8月1日公開予定)
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