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ペドロ・ミランダ サンバの旗手、リオの風舞う歌声

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NIKKEI STYLE

現代サンバ界をリードする歌手のぺドロ・ミランダが2度目の来日を果たした。ブラジルのリオデジャネイロを拠点に活躍する新世代の旗手である。ミランダは昨年、ブラジルのベテラン女性歌手、ジョイス・モレーノのゲストとして初来日し、ブルーノート東京のステージに立った。はつらつとして包容力のあるミランダの歌唱は強い印象を残し、ブラジル音楽ファンの間で再来日が待ち望まれていた。

人生を謳歌する音楽表現

超満員の会場にミランダが現れた。よくぞ来てくれましたという心からの歓声に包まれ、彼の笑顔が輝く。彼はその表情や物腰だけで、サンバは人生を謳歌する音楽表現なのだと教えてくれる。

ミランダが歌いだすと、会場に開放的な広がりが生まれた。まるで熱を帯びたリオの風が舞っているようだ。ミランダの歌からほとばしる情熱、躍動感に少しでも触れれば、彼がブラジルという広大な国ではぐくまれたサンバのオリジナルな流儀を自身の体にたっぷりと蓄積していることが分かるだろう。

ミランダはブラジルのタンバリン「パンデイロ」で多彩なリズムを繰り出しながら歌う。シンガーとして一人前になる前はパンデイロ奏者として活動していたという経歴をステージでユーモラスに語っていたが、その事実はサンバ、ひいてはブラジル音楽にとって打楽器が不可欠な楽器であることを伝えている。

ミランダをサポートするのは、サンバやショーロ(19世紀にブラジルで確立されたポピュラー音楽)を演奏する日本人グループ、グルーポ・カデンシア。かねてブラジルと日本を行き来し、ミランダとも親交のある打楽器奏者、宮沢摩周を中心とした面々は、実に無理なく、大きな伝統を背負いながら「今」を表現しようとするミランダの歌唱に寄り添っていた。

ミランダがポルトガル語で観客に語りかけると、すかさず宮沢が通訳する。リオのスターと日本人奏者たちの信頼関係の強さも、観客の心を温めてくれた。

ブラジル古曲、会場は大合唱

この夜のライブは2部形式で、1部で披露されたのはブラジルのグラミー賞といえる「ブラジル音楽賞」の2017年ベスト・サンバ・アルバム賞を受賞したアルバム「サンバ・オリジナル」や、その前のアルバム「ピメンテイラ」からの曲、さらにオリジナルの新曲も2曲と盛りだくさんだった。

「サンバ・オリジナル」の収録曲で、現代ポップ音楽シーンの最高峰に位置するブラジル人アーティスト、カエターノ・ヴェローゾとデュエットしたブラジルの古曲も披露したのだが、この夜、ミランダはヴェローゾの歌ったパートを観客に歌わせた。会場は瞬く間に驚くほどのボリュームの大合唱になった。

休憩の後の2部は、飛び入り自由のセッションが企画された。パーカッションや管楽器、弦楽器を手にした観客や歌いたいと名乗りを上げた人たちがステージ前に集結し、ミランダのかじ取りの下、グルーポ・カデンシアの演奏の輪に順番に加わっていくのである。

今年4月に亡くなったサンバの母、ドナ・イヴォニ・ララの名曲群から、ブラジル・バイーア州の至宝といわれた故ドリヴァル・カイミの曲まで、素材は様々。それらが送り手と受け手の垣根を超えて共有されていく。サンバはこうしたおおらかな精神の下で、悠々と育まれてきたのだと実感せずにはいられなかった。

現在サンバの神髄を伝える才人、ミランダの所作を観客が堪能できた1部、リオの裏道の酒場に来ているような気分を存分に味わえた2部。その両方を体感して、音楽の現場におけるブラジルと日本の近さ、ブラジル音楽の日本における浸透の度合いの高さに、改めて感嘆した一夜だった。7月4日、ライブハウスレストラン「プラッサ・オンゼ」(東京・青山)。

(音楽評論家 佐藤英輔)

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