「堅い文化をマッサージ」 横河電機変えるマーケター横河電機マーケティング本部長 阿部剛士氏

横河電機マーケティング本部長の阿部剛士氏
横河電機マーケティング本部長の阿部剛士氏

「インテル・インサイド」のキャッチコピーで知られるインテルの日本法人でマーケティング本部長を経験し、2016年に計測・制御機器メーカー大手の横河電機に入社した阿部剛士氏。現在、研究開発や特許、M&A(合併・買収)まで10の組織を束ねるマーケティングの責任者として、社内の改革に取り組む。「スピード感のある開発をしていく」と語る阿部氏に、BtoB(企業向け)事業に求められるマーケティングの発想を聞いた。

「インテル、入ってる」で醍醐味知る

――31年間在籍していたインテルで最初はエンジニア(技術職)だったそうですが、どういう経緯でマーケティングの部署に移ったのですか。

「当時社内で様々なタスクフォースがあり、技術者の私も参加していました。インテルは年に1~2回、パソコンのCPU(中央演算処理装置)の新製品を出していて、『486』といった数字の名前をつけていました。これを『ペンティアム』などのコードネームに変える戦略を始めたんです」

「例えば、家電量販店などに私のようなエンジニアが出向き、店員にインテルのCPUの素晴らしさを説明します。店員がそのままお客に説明できるようにして、CPUで指名買いしてもらうようにしたのです。こうした大きな変化を見て、『ブランディングって面白い。自分も関わりたい』と思い、まずは広報室に異動を希望しました」

――インテルといえば、「インテル・インサイド」のキャッチコピーが有名です。

「日本語では『インテル、入ってる』ですね。これは、実は日本で始めた企画です。当時は学生10人のうち、9人は知らないという知名度だったので、新卒採用を強化しようと打ち出しました。これが予想外の効果を上げたので1990年代に全世界でキャンペーンを展開し、認知度が飛躍的に向上しました」

――インテルから横河電機に移ったのはなぜですか。

「縁があって西島剛志社長に会ったとき『横河電機を変えたい』という強い思いを感じました。横河はプラント向けの計測・制御装置で40年以上ビジネスを続けています。絶対に爆発してはいけませんから、安全第一が基本です。一方、最近工場でも進んでいるIT(情報技術)の世界は、多少問題があっても修正しながら進めるという『ベストエフォート』の発想です。似ても似つかない2つの文化の融合が起きようとしているのです」

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