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ベンツGクラス 違いが見えないモデルチェンジの理由

2018/8/8

フルモデルチェンジを行ったベンツGクラス(手前はGクラス商品企画責任者のミヒャエル・ベルンハルト氏、後方はメルセデス・ベンツ日本の上野金太郎CEO)

 メルセデスのSUV、Gクラスがモデルチェンジを行った。実はGクラス、旧モデルの人気も高かった。2017年の売り上げは10年の実に4倍だったという。その人気の秘密、そして異例ともいえる、「現物を見ても新型だと気づかないかもしれない」モデルチェンジの狙いを、自動車評論家の渡辺敏史氏が解説する。

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 世にいう「ロングセラー」とは、果たしてどのくらいの年月を生き永らえた商品のことを指すのでしょうか。

 それはもちろん種別によって異なるわけで、食べ物の世界なら半世紀1世紀なんて期間はざらです。思いつくままに調べてみると、黄色い箱に入った森永ミルクキャラメルが誕生したのは100年以上前、デザインが印象的なキッコーマンの卓上しょうゆ(しょうゆ卓上びん)は50年以上の歴史があります。逆にロングセラーが成立しづらい種別として思い浮かぶのは、周辺技術の更新が著しいIT(情報技術)関係でしょうか。

 クルマはどうでしょう。日本で33年間ベストセラーの地位を守り続けた乗用車といえばカローラですが、日本国内販売台数第1位を維持していた1969年から2001年の間に施されたフルモデルチェンジは8回。ほぼ4年ごとの刷新だった計算になります。

 近年はフルモデルチェンジの期間は延びていますが、モデルライフの長いドイツ車でも7年前後での刷新が通例となっています。要求される安全・環境性能、進化する快適装備の盛り込みなどを鑑みると、そのくらいのサイクルがちょうどいい。日々クルマ屋的な視点で情報を追っていると、これはひとつの収れん的な値ではないかとも思ったりするわけです。

■39年目のフルモデルチェンジ

 先日、メルセデス・ベンツGクラスのフルモデルチェンジが行われました。メルセデスのSUV(多目的スポーツ車)であるGクラスの登場は1979年のこと。先の慣例に照らせばもう5回くらい刷新を重ねていてもいい頃合いなわけですが、登場から39年後の今に至るまでフルモデルチェンジを受けていませんでした。さすがに搭載エンジンや駆動方式、内外装など時流に沿った細かなリファイン(改良)は重ねていますが、骨格や外枠など基本的なところはずっとそのままです。なんでこんなことになったのか。

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