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株のネット取引 システム障害による損失は補償される?

2018/7/19

システム障害について会見で謝罪するみずほ証券の金森裕三常務(左)ら(6月27日、東京・日本橋兜町)=共同

 証券会社のネット取引口座は2018年3月末に約1630万口座(有残高数)と、10年で1.7倍になった。システム障害が発生すれば、影響は広範に及ぶ。利用する証券会社でシステム障害が起きたら、投資家の注文はどうなるのか。

 6月下旬、みずほ証券のネット取引で発生したシステム障害では2営業日半、取引が停止し、約1万件の注文に影響が出た。みずほ証券はこのうち約1200件については約定していた可能性が高いとして、注文された価格で後から約定させた。

 日本証券業協会はネット取引におけるシステム障害を4つに分類している。(1)サイトへのログイン不能(2)売買発注の不能(3)証券会社が注文を受けてから執行まで5分超など時間がかかりすぎる(4)注文の執行状況を顧客に通知するのが遅れる――ケースだ。ソフトやハードの不具合のほか、人為的なミスも多いという。

 システム障害でネット取引ができなくなった場合、証券会社はネット取引の画面やメールなどで会員に障害発生を通知する。注文したい場合は、コールセンターが電話で注文を受け付けるなどの対応をする証券会社が多い。電話注文した場合、手数料はネット取引の料率を適用する。

 障害発生前に受け付けられた注文は補償される可能性が高い。発注時刻の状況や障害発生時の値動きなどと照合し、本来約定すべきだった価格で約定したものとして取引を進めるか、約定の取り消しや単価の訂正などの対応を受けられる。

 システム障害の種類によっては、発生後も投資家が注文を出せるケースもある。サイト上には「注文を受け付けた」と表示されるかもしれないが、障害発生と注文処理の時間、内容などによって補償するかどうかを証券会社が個別に判断することになりそうだ。

 一方、注文したかったがシステム障害のせいでできなかったというケースは補償されない可能性が高い。注文機会を逸した「機会損失」ではあるが、受注行為がなく約定価格が確定できないためだ。

 金融商品取引法の規定により、証券会社は原則として顧客の損失を補填することが禁じられている。システム障害による損失は適用除外だが、損失の原因が明確でない限り、補償は金商法に抵触する恐れがある。

 13年、日証協インターネット証券評議会はシステム障害への対応に関する開示ルールを決めた。各証券会社はこれに沿って障害発生時の対応をホームページなどに明記している。利用している証券会社がウェブサイトなどに掲載しているシステム障害時の対応を確認しておくといいだろう。

(マネー報道部 岡田真知子)

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