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温暖化被害の軽減策義務付け 自治体による実行性カギ

2018/7/24

自治体は、温暖化被害の軽減策の策定が必要になった(7月3日、名古屋市の公園)

今年は全国的に気温の高い日が続いているようです。年々暑さが増すように感じますが、国会で6月、ひとつの法律が成立しました。「気候変動適応法」といい、温暖化などの影響の軽減を目的としています。

法律の成立は、2015年に採択された地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」などがきっかけで、温暖化そのものは避けられないものとして扱っているのが特徴です。従来の対策は二酸化炭素(CO2)といった温暖化ガスの排出抑制などが中心でした。しかし温暖化ガスの排出抑制が進んでも、世界の平均気温の上昇は続くという科学的な知見があります。

こうした事実を踏まえ、健康や自然などへの被害の軽減を目指した法律がつくられ、年内に施行される見通しです。対策を立てる主体は都道府県や市町村です。罰則は設けられていませんが、地域に応じた被害の軽減策の策定を義務付けました。

温暖化による代表的な被害には熱中症があります。総務省消防庁の速報では、7月9日~15日に全国で9956人が熱中症で搬送されました。気温が健康に与える影響に詳しい横浜国立大学の鳴海大典准教授は「気温の上昇は熱中症だけでなく、睡眠の質の低下や疲労感の増大も招く」と話しています。

自治体は今までどんな取り組みをしているでしょうか。埼玉県は、全国でも有数の猛暑で知られる熊谷市で、スーパーコンピューターを使い熱中症にかかるリスクを下げる実験をしました。公園で木を植える位置を変えることにより、日光の差し具合や風の通り方がどう変わるかをスパコンで予測したのです。

結果は木を直線的に並べるより、まちまちに植えたほうが木陰を増やせる効果が得られました。埼玉県はこうした対策により、熱中症のリスクの高い地点を20%減らせるとし、公園の整備を進めています。

愛知県は、太平洋に面した日光川の水門(飛島村)を、温暖化により海面が上昇しても対応できるよう設計・建設しました。県の担当者は「高潮の被害を防ぐため」としています。法律を立案した環境省によると、ほかの自治体でも熱中症対策などを中心に、法律に合わせた対策を進めているようです。

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