eスポーツで国体を刷新 魅力度最下位、茨城県の逆襲大井川知事が語る、競技会開催の舞台裏

茨城国体での「eスポーツ」実施を推し進めた大井川和彦知事(18年7月、茨城県庁で)
茨城国体での「eスポーツ」実施を推し進めた大井川和彦知事(18年7月、茨城県庁で)

茨城県は2019年に同県で開く国民体育大会(国体)で、ゲーム対戦競技の「eスポーツ」の都道府県対抗戦を実施する。国体を共催する日本スポーツ協会(東京・渋谷)を含め、日本のスポーツ界ではいまだにゲームをスポーツとみなすことに異論が根強い。そもそも都道府県が持ち回りで開く国体は、前例を踏襲するのが通例だ。そうしたなかでなぜ茨城県がeスポーツに着目したのか、大井川和彦知事に聞いた。

茨城国体のマスコット「いばラッキー」を持つ大井川知事(18年6月、茨城県提供)

「eスポーツは年齢、性別、障害の有無に関係なく、いろんな人が参加できる競技で、国体にふさわしいと思います。加えて最近は世界的に人気が沸騰していて、五輪に採用される可能性も出てきました。国体が若者に注目してもらえるいいチャンスで、茨城県のイメージを大きく向上させることもできます」

大井川氏は7期目を目指す前職との選挙戦を制して、昨年9月に茨城県知事に就任した。それ以来、県庁の職員に対して「新しいことに挑戦してほしい」と繰り返し求めてきた。

「国体を担当している県の職員からeスポーツの提案があって、それは素晴らしい、ぜひ進めようということになりました。こういう提案を待っていたんだ、と。僕から職員に新しい視点を提供することもできますが、職員から上がってくるのが最終的なゴールです。そういう動きをエンカレッジ(後押し)したいので、庁内で表彰しました」

「茨城県にはこれまで、どちらかというと、差し障りのあることはなるべくしないで、リスクを避けて今まで通りという空気がありました。若い人がどんどん上を突き上げて、『私も何かやりたい』と声をあげてほしい。みんなでワクワクしながら新しいことに目を向けていく、そんな県にしたいです」

郷土の誇りかけた真剣勝負を

eスポーツはサッカーゲームの「ウイニングイレブン」を使い、1チーム3人で対戦する。国体の文化プログラムという位置づけだが、大井川知事は本格的な競技大会にすることにこだわった。

「国体はアスリートが都道府県を代表して真剣勝負する場です。そこから大きく外れて、単にゲームをみんなでやる場にしてしまっては意味がありません。選手が郷土の誇りをかけて戦うからこそ、見る側にも感動をもたらします。腕に覚えがある人はぜひ、こぞって参加してほしいです」

「eスポーツの大会は国内のいろいろなところで開かれていますが、郷土愛と結びつくことで、競技人口をもっと掘り起こせると期待しています。これまで何となく遊びとしてゲームをしていた人も、競技としてeスポーツに取り組もうと思ってくれるのではないでしょうか」

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