けれど、実はこんな目立つ小物はほかにないのも、これ事実。女心のキモを抑えれば、グッと好感度の上がる、費用対効果絶大なアイテムでもあるのです。

■わずか0.5センチの大差

そんな女心を熟知しているのが、ジョルジオ・アルマーニ。インテリジェンスと色気を漂わす服作りでは右に出るものがない、ご存じミラノファッションの帝王です。そんな彼が、スーツに合わせるベルトはすべて3センチ幅。それ以上のベルトはデニムなどカジュアル用にはあっても、スーツにはありえない、というのが昔からの帝王の美学ですが、それが実に的をついているのです。

ベルト(幅3cm)¥37,000(ジョルジオ アルマーニ/ジョルジオ アルマーニ ジャパン)

なぜなら、3センチと3.5センチ。わずか0.5センチの違いですが、微差は大差。3センチの幅になれば、ベルトはドレッシーな印象、3.5センチ以上になると、とたんにワイルドな押しの強い感が出るのです。

なので、女性の好感度獲得は、やはり3センチ、が基本。ベルトにおける「アルマーニ基軸」は、女性の好感度の基軸でもあるのです。

昨今では、その好感度=ベルト幅を標榜、さらに細くしたものが幾つものブランドから登場しています。飛ぶ鳥を落とす勢いのグッチは、2.5センチ幅を提案。モード感の演出力がたっぷりです。

■無意識の好感度を持つ細幅効果

その反対を行くような王道のクラシコイタリアを支える老舗のアラルディも2.5センチ幅が本格上陸。

茶色のベルト(幅2.5cm)¥19,000(アラルディ1930/ストラスブルゴ)

トレンドのボトムとのバランスもあるのでしょうが、この細幅化のラッシュ。

ミニマムにぴっとあしらうほど、全身をスタイリッシュに底上げする効果にメンズの世界は夢中です。

もちろん、多くの女性には、そんなミリ単位のベルトの幅まで分かりません。原因がベルトのこだわりとは気づきませんが、「なんか良い感じ」と、無意識の好感度を持つのが、この細幅効果。

理由はわからないけれど、なんかすてき、なんか格好いい。

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