マンション相続、実質減税 土地の容積率で新基準

こうした減額補正を知らずに申告しても一般に税務署は指摘してくれないため、相続税の払いすぎになる心配がある。いずれ相続するマンション住戸があるなら、路線価からどんな減額ができるのか、よく確認しておきたい。

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小規模宅地等の特例 適用で相続税ゼロも

土地の評価を路線価から減らすことのできる税制の中で、最も減額率が大きいのが相続税の「小規模宅地等の特例」だろう。亡くなった人が住んでいた自宅の土地を、同居していた親族らが相続した場合に、その評価額を80%(面積330平方メートルまで)も減らせる仕組みだ。

相続税の申告により、この特例を活用すると、相続税がゼロになることも多い。一般に相続財産に占める土地の比率は高く、特例活用により財産全体の評価額が、基礎控除の範囲内におさまりやすくなるためだ。

相続税の申告件数は2016年分で13万6891件。日本経済新聞の情報公開請求に対して国税庁が開示した資料によると、このうち54%(7万3444件)で、同特例が適用された(図C)。路線価などで計算した評価に比べて全体で1兆1898億円が減額され、税負担の軽減につながっている。

同特例の適用によって相続税がゼロとなったのは、申告件数全体の16%(2万1736件)だった。とりわけ相続財産に占めるマイホームの割合が大きい都市部の中流層は、同特例が使えるかどうかで税負担が大きく左右される。

(表悟志)

[日本経済新聞朝刊2018年7月13日付]

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