マネー研究所

Money&Investment

マンション相続、実質減税 土地の容積率で新基準

2018/7/22

横浜市にあるAガーデン(仮名)。路線価は前年より2%上がった

 国税庁が7月2日に発表した2018年分の路線価は全国平均で0.7%上昇した。ただし、路線価はあくまで「標準的な宅地」の価格であり、相続税の計算では個別の事情に応じて減額補正が認められる。実は税制改正によって18年から一部の中低層マンションの土地にかかる相続税が事実上、減税になった。どういうことだろうか。

 「このマンションは1戸当たり数十万円の減税効果がありますね」。相続税に詳しい岡野雄志税理士が地図上で指さしたのは、横浜市営地下鉄センター北駅から徒歩10分余りに建つAガーデン(仮名)。東京都心へのアクセスがよい同駅周辺は子育て世代に人気があり、Aガーデンの路線価も前年より2%上がった。

■一部中低層が該当

 路線価は道路に面する土地の1平方メートル当たりの価格で、相続税と贈与税の計算ベースとなる。路線価が上がったAガーデンはその分相続税が重くなりそうだが、岡野税理士は「税制改正でむしろ実質的に減税になった」と指摘する。

 路線価はごく標準的な条件の土地を想定したもの。形がいびつだったり高低差があったりすると資産価値が低いとされ、路線価による評価を減額できる。相続税の申告書に記載して認められれば節税につながる。

 「広すぎる土地」も全面をくまなく有効利用するのは難しいとの理由から減額が可能だが、中高層マンションの開発に適するようなケースは除外するとされてきた。ただしその判別は実務上難しく、申告したのに税務署に認められず不満を持つ納税者もいた。

 国税庁は18年から、広すぎる土地の条件を3つに明確化した(図A)。土地の「容積率」が低めであれば、形式的にマンションには不向きで価値が劣ると判定。現にマンションが建っている土地でも減額を認めるようにした。

 容積率は土地面積に対して最大どのくらいの延べ床面積の建物を建てられるかを示し、都市計画で地域ごとに指定されている。新ルールでは400%(東京23区では300%)よりも低ければ減額が認められ、結果的に中低層のマンションで土地の相続税が実質減税となった。

マネー研究所新着記事

ALL CHANNEL