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お客さんがホイホイ集まる法則

隠れたニーズどう拾う オムライス専用ソースがヒット 経営コンサルタント 竹内謙礼(4)

2018/7/19

「最初は『なんでオムライス専用なの? ケチャップで十分だよ』と、周囲の人は首をかしげていました」

鳥居社長は笑いながら話す。しかし、今ではこのソースは年に1万5000本を出荷する人気商品に成長した。ソースの新しいマーケットを見事に切り開いたのである。

*   *

この事例で学ぶべき点は、お客さんの声を聞いてそのまま商品を開発しようとしたのではなく、お客さんの声を参考に、新たな商品のヒントを発見したということである。

モニター調査によって消費者に「どのようなソースが欲しいですか?」「どのようなソースがあったら便利ですか?」と聞いても、おそらく一般的な意見しか収集することができない。なぜならば消費者はその会社のために役立とうとは思っていないので、売上につながるような都合の良い意見を述べてくれないからである。

鳥居食品では、消費者が自宅で作っているソースを聞き出すことで、市販されていないソースのマーケットを知ることができた。このほうが明確な答えを導き出せる上に、売れる商品のヒントを得やすくなる。つまりお客さんから売れる商品の回答を聞き出すよりも、ライフスタイルや生活環境を聞いたほうがヒット商品のアイデアにつながりやすいのである。

新商品や新サービスのアイデアを導き出す調査方法はいくつかあるが、お勧めはインターネットのリサーチ会社を活用する方法である。客観的な市況を把握でき、自分の商品を購入していないお客さんの要望も知ることができるので、新たな売上につながるヒントを収集することができる。スピーディな調査ができ、低価格なため、中小企業でもお金と時間をかけずに有益な情報を集めることが可能である。

また、モニター調査として3、4人ぐらいのお客さんを集め、グループディスカッションをやってみるのもいい。筆記による調査の場合、「書くのが面倒」「文章でうまく表現できない」という理由で、収拾した情報に偏りが出ることがある。これに対し、モニターは口頭による調査のため、紙のアンケートでは拾えなかった深い意見を収集することができる。

商売というのは「買ってくれるお客さん」しか相手にできず、情報やアイデアの収集範囲が狭くなりやすい。定期的にリサーチ調査を行い、常に外部の新しい情報をキャッチする体制を整えなければ、ヒット商品に巡り合うことはできないのである。

200社に足を運んでわかった お客さんがホイホイ集まる法則

著者 : 竹内 謙礼
出版 : 日本経済新聞出版社
価格 : 1,620円 (税込み)

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