キューバへの熱い思い 伝説の『ブエナ・ビスタ』再来恋する映画(4)『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス』

『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス』(c)2017 Broad Green Pictures LLC
『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス』(c)2017 Broad Green Pictures LLC

今回ご紹介する『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス』、タイトルに聞き覚えがあるという方も多いと思います。本作は2000年に日本で大ヒットし、いまなお色あせることのない名作といわれている『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』の18年ぶりとなる続編。当時は、世界中でブームとなっただけに、映画に熱狂するにとどまらず、CDを購入したり、サルサダンスに挑戦してみたり、もしくはキューバに旅行してみたという人もいるのではないでしょうか? 実際、キューバレストランが流行するだけでなく、キューバへの直行便の就航が始まるなど社会的な影響も与えたほどだといわれています。


奇跡の音楽に世界中が心を奪われた

そもそもきっかけとなったのは、1997年に発表された1枚のアルバム。そのタイトルであり、バンド名ともなったのが「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」ですが、90代のギタリストをはじめ、忘れられていたキューバのレジェンドたちによる卓越した音楽が一大センセーションを巻き起こし、異例の売り上げとグラミー賞の受賞で一躍脚光を浴びることになります。そんな彼らに魅了された名匠ヴィム・ヴェンダースがドキュメンタリー作品として手掛け、その年のアカデミー賞にノミネートされるまでになったのが前作まで。

それに対して、今作で映し出されているのは、予期せぬ成功で人生が一変してしまったメンバーたちのその後から現在までの様子。さらに、これまで使われなかった秘蔵映像や各メンバーたちの知られざる過去、そして音楽としてのルーツなど、前作へのオマージュもささげた構成は、ファンにはたまらない見事な続編となっています。

そして、本作で恋するポイントといえば、何と言っても音楽。日本から遠く離れたキューバの音楽を一気に身近にしてくれたのは、彼らのおかげだと感じている人も多いと思いますが、コンパイ・セグンドの大ヒット曲「チャン・チャン」をはじめ、おなじみの曲を今回もたっぷりと味わうことができます。

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