6位 道の駅保田小学校 400ポイント
体験の場を絶えず企画 (千葉県鋸南町)

2014年に閉校となった旧保田小学校をリノベーションし、交流施設として15年にオープンした。「泊まる、土産物を買う、音楽会や工作教室など、体験の場を絶えず企画している。道の駅をこれだけ充実させた例はない。南房総のにぎわい再生の柱になっている」(村木さん)

旧校舎棟1階の「里山食堂」は「当時の机やいすを使っており、学校の面影を感じられる」(井口さん)。品書きにはかつての保田小の給食も。鋸南町は漁港としても有名。「地アジフライ定食」(1000円)も評判がいい。

(1)個室に1泊素泊まりで大人4000円、小学生3200円(夕食付きプランなし)(2)JR保田駅から徒歩16分(3)http://hotasho.jp/

7位 きくちふるさと水源交流館 380ポイント
子ども集う清流の里 (熊本県菊池市)

2004年開業と早くから廃校の宿として取り組んでいる。コンセプトは「子どもが集う場所」。自然体験を充実させることで地域外からの集客を強化し「廃校前よりも地域に大勢の子どもがいるようになった。その笑顔を見たくて地域住民が総出で運営管理する」(斎尾さん)。廃校舎の廊下を子どもが走り回るのは日常的な光景となった。

宿の近くの菊池渓谷は菊池川の源流。古くから「水源」と呼ばれてきたこの清流の里は「阿蘇山北側の周遊の玄関口。観光の拠点にも最適」(小林さん)。

(1)1泊2食で大人4225円、小学生3175円(2)JR熊本駅からバスとタクシーで1時間20分(3)http://www.suigen.org/

8位 月影の郷 290ポイント
ランプの宿でワクワク (新潟県上越市)

校舎2階の宿泊部屋には「1年教室」などと書かれた白のプレート。これを見て子どもは心躍らせる。大人にも楽しんでもらう趣向のひとつが夜のランタン。明かりを消し、食堂の机にランタンをともして食事したり、部屋に戻る際に持ち運んでもらったりしている。「ワクワク感を楽しめるランプの宿」(井上さん)だ。

山菜のてんぷら、押しずし、郷土料理の「のっぺ汁」など「地元の食材を使った田舎料理も魅力的」(畠山さん)。

(1)1泊2食で大人7000円、小学生5920円(2)北越急行ほくほく線うらがわら駅から無料送迎で10分(個人客の場合)(3)http://www.tsukikage.net/

9位 ヘルシー美里 270ポイント
南アルプス望む (山梨県早川町)

南アルプスを望む廃校の宿。夏の日の出の時間帯は建物が山の陰に入り、朝日に照らされた緑濃い山々との対比が美しい。農業体験や星空観察、川遊びなど様々なプログラムを用意しており「山里ならではの宿泊体験をするなら一番充実している」(上野さん)。

温泉も売り物だ。「校舎を出て長い渡り廊下を登った高台に浴場がある。湯船につかりながら山と集落、川を眺められる」(重松さん)。セ氏19度ほどの冷鉱泉(源泉)とそれを加熱した41度の湯の2種類がある。

(1)1泊2食付きで大人7500円、小学生6800円(2)JR下部温泉駅からバスで50分(3)http://www.hayakawa-eco.com/misato/

10位 匹見峡温泉やすらぎの湯 260ポイント
山陰の奥座敷、自家源泉 (島根県益田市)

廃校舎そのものはなくなったが、宿全体に当時の木材を再利用。フロントや通路などの共有スペースに残る黒板やいす、世界地図、書棚の教科書などにも往時の面影が感じられる。こうした廃校の宿の雰囲気に加え、「周辺の匹見峡など自然環境が素晴らしく、接客のレベルも高い」(熊野さん)。

山陰の奥座敷として温泉も宿の自慢だ。内湯、露天風呂それぞれに自家源泉を持ち「トロリとした泉質で気持ちがいい」(井口さん)。

(1)平日1泊2食で大人9500円、小学生7500円(2)JR益田駅からバスで50分(3)https://yasuraginoyu.wixsite.com/yasuraginoyu

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ランキングの見方 数字は選者の評価を点数化した。施設名、所在市町村名。(1)宿泊料金の例(2)交通手段(3)情報サイト。写真は1、3、5位が岡田真(3位は建物のみ)。2、6、8、9位は保田井建。その他は宿泊施設の提供。

調査の方法 専門家への取材を基に全国24カ所の「廃校の宿」をリストアップ。(1)食事や温泉など宿泊施設自体の魅力(2)廃校舎の建築物としての価値、周囲の景観との対比の妙(3)近くに観光地があるなど、宿として夏休みや秋の行楽に向いているか――の観点で1~10位まで順位を付けてもらい、編集部で集計した。

今週の専門家 ▽井口育紀(NPO法人日本国際ワークキャンプセンター事務局長)▽市原実(NPO法人「日本で最も美しい村」連合理事)▽井上弘司(地域再生診療所所長)▽上野彩子(温泉情報誌「ゆこゆこ」編集長)▽熊野稔(宮崎大学地域資源創成学部教授)▽小林和彦(地域おこし協力隊サポートデスク専門相談員)▽斎尾直子(東京工業大学環境・社会理工学院建築学系准教授)▽重松大輔(スペースマーケット社長)▽畠山徹(一般財団法人都市農山漁村交流活性化機構=まちむら交流きこう=業務第1部参事)▽村木裕幸(JTB千葉支店営業課チーフマネージャー)=敬称略、五十音順

[NIKKEIプラス1 2018年7月14日付]

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