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入口正面のメインの平台に展示(リブロ汐留シオサイト店)

入口正面のメインの平台に展示(リブロ汐留シオサイト店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測しているリブロ汐留シオサイト店だ。落合陽一氏と堀江貴文氏の共著『10年後の仕事図鑑』が相変わらず好調な売れ行きだが、ビジネス教養やビジネススキルで売れ行きを伸ばす本も出てきて店頭はにぎわいを見せている。そんな中、発売直後から目立った売れ行きを見せていたのは、転職するときの思考の軸を小説形式で明示してみせたキャリアデザインの専門家による一冊だった。

「転職話はタブー」を変えたい

その本は北野唯我『このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む転職の思考法』(ダイヤモンド社)。著者の北野氏はハイクラス層を対象にした人材ポータルサイトを運営するワンキャリアの執行役員。サイトの編集長として記事の編集や執筆を手がけ、就職や転職事情に詳しい。著者によれば、いまや終身雇用は崩れ、2人に1人は転職する時代になっているのに、転職の話がタブーになっている職場があまりにも多い。そうした状況を変えるべく、「魂を削りながら」書いたのがこの本だという。

展開するのは、30歳、印刷機器会社で法人営業している青野という主人公の物語だ。「漠然とした不安」を抱える主人公がコンサルタントの黒岩と出会い、転職の思考法のレッスンを受け、転職を果たすまでが描かれていく。「このままでいいのか」というモヤモヤを抱えた主人公に「『一生食える』を確保する4つのステップ」など、転職を考えるときの思考の軸が順を追って伝授される。主人公がどこにでもいそうなサラリーマンだけに、読者は主人公の悩みに共感しながら、自分のマーケットバリューの測り方から、会社や業界の選び方、転職エージェントとの付き合い方まで、軸をどこに置いて考えればいいか、ふに落ちるしかけだ。

「いつでも転職できる」カードが重要

コンサルタントの黒岩は主人公の青野に言う。「転職というのは多くの人にとって『初めての意味ある意思決定』なんだ」。大学受験も就活も単にレールの上を歩いてきただけで、意味ある意思決定とは、必ず何かを捨てることを伴う。だから多くの人は転職に恐怖を感じる。「さあ、君はどうする?」と、主人公に決断を促す。

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