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ビジュアル音楽堂

ソプラノ佐藤美枝子 優勝20周年に聴かせる歌の花

2018/7/21

日本の声楽界を代表するソプラノの佐藤美枝子さんがロシアのチャイコフスキー国際コンクールで優勝して20年。10月の20周年記念リサイタルに向けて歌手としての軌跡を振り返り、抱負を語る。

「優勝していろんなことが変わった。イタリアに留学していたが、優勝を基点に日本で活動を始めた」。佐藤さんは20年前をこう振り返る。ロシアのモスクワで4年に1回開かれるチャイコフスキー国際コンクール(通称チャイ・コン)。1998年6月の第11回大会声楽部門で佐藤さんは日本人として初めて第1位に輝いた。

チャイ・コンはベルギーのエリザベート王妃国際音楽コンクール、ポーランドのショパン国際ピアノコンクールと並び世界三大コンクールの一つといわれ、最難関、最高権威として知られる。58年の第1回大会以来、半世紀を超える長い歴史の中で、これまで第1位になって優勝した日本人は、バイオリンの諏訪内晶子さんと神尾真由子さん、ピアノの上原彩子さん、それに声楽の佐藤さんの4人のみ。「ビジュアル音楽堂」では今回の佐藤さんで4人とも取り上げたことになる。4人の優勝後の活躍ぶりは衆目の一致するところだろう。

イタリアで研さんを積んだベルカント唱法

佐藤さんが声楽を始めたのは大分県の中学生だった頃。「ベルカント唱法をずっと学んできた」と話す。「ベルカント」とはイタリア語で「美しい歌」という意味。イタリア伝統の歌唱法で、喉に無理をさせずに低音から高音まで自然に伸びやかに発声する歌い方を指す。ベルカント唱法によるオペラを書いた作曲家にはドニゼッティ、ベッリーニ、ロッシーニがいる。いずれもイタリアオペラの大家だ。

佐藤さんは武蔵野音楽大学を卒業後、95年にイタリアでヴェルディ「リゴレット」のジルダ役を歌ってオペラ界にデビューした。さらにイタリアでベルカント唱法をより深く学んだ。イタリア留学の間にチャイ・コンで優勝し、世界で一躍注目され、日本にも名が知れ渡った。

優勝の決め手となったのはドニゼッティのオペラ「ランメルモールのルチア」のアリア。ルチア役は佐藤さんが最も得意とする演目だ。「ドニゼッティはベルカント唱法にのっとってオペラを作曲しているので、私に合っている。私の声はルチア役を歌うのにも合っていた。さらにはルチアという役柄にすごく共感するものがあり、最も思い入れのあるレパートリーになった」と語る。

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