65歳から公的年金への依存度上昇 金融資産の確保を

日経マネー

そこで、退職後の収入における公的年金の位置付けをまとめてみます。一般的には、年収の高かった人ほど退職後の生活費も多く必要となります。しかし、それに比例するほど公的年金の受給額は増えるわけではありませんから、現役時代の年収が高い人ほど公的年金以外の資金を用意する必要があります。

年齢で変わる年収の源泉

出所:フィデリティ退職・投資教育研究所の「資産活用世代のお金との向き合い方」アンケート

さらに、年齢による構成比の変遷からもう一つの限界も見えてきます。「資産活用世代のお金との向き合い方」アンケートでは、退職している人に退職後年収(年間生活費)の源泉を聞いています。その平均値を計算し、収入源別の割合を求めました。

現在、公的年金の受給開始年齢は65歳に移行している途中ですが、全額受け取れる65歳以降を見てみましょう。退職後年収の中央値はほぼ330万円強で60歳代前半と変わりません。ただ、退職後年収に占める公的年金の比率は61.7%に高まります。加えて企業年金の受け取りも増え、個人年金保険の受け取りも合わせると、年金関係の合計は77.6%となります。

一方で、徐々に働きにくくなること、また働いても大きな収入が望めないことから勤労収入の構成比は60歳代前半の3分の1程度に低下しています。金融資産の引き出しは大きく減って、60歳代前半と比べて半分以下の5.9%となっています。

イラスト:小迎裕美子

次に70歳以降の退職後年収の構成を考えてみましょう。残念ながら、インターネットを使ったアンケートでは、この年代の参加が難しいので、実際には聞くことができていません。ただ69歳までを分析した表から70歳以降の収入の内訳はある程度推測できます。

まず「退職後年収の総額は330万円台で変わらない」と推測できます。生活費は70歳代の方が少なくて済むかもしれませんが、医療費の負担はかなりの可能性で増えると想定できますので、全体では増えることはあっても減ることは考えにくいところです。

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