自転車の事故と盗難を防ぐ 最新ライト&ロック3選
自転車のグレードを上げたいと考えるとき、本体はもちろん、ハンドル、サドルやペダルなどパーツの買い替えを思い浮かべる人は多い。だが、その前に重要なのが事故対策と盗難防止に必要なアイテムだ。事故に遭ったり、盗まれたりしては元も子もない。
今回は、安全性向上だけでなく防犯対策にもなる自転車用リアライトと、ハンドルに装着できるサイズで800ルーメンの光束(光の量)を誇るフロントライト、さらに防犯効果の高い自転車ロックと施錠テクニックを紹介しよう。(価格はすべて希望小売価格)
盗難防止アラーム&ウィンカー付きテールライト
交通事故は、周囲の状況を確認しにくい夜間だけでなく、昼間も十分注意しなければならない。警視庁の発表によると、2018年1~4月末までの都内の交通人身事故のうち、約7割は昼間に発生している。財団法人交通事故分析センターによると、自転車事故のうち最も多いのは「出会い頭事故」だという。また、後方からクルマに衝突される「追突(進行中)事故」は夜間に発生しやすく件数は多くないものの、死亡リスクの高さが報告されている。
事故を予防するには、クルマや歩行者からの視認性を上げるためライトを点灯することが重要だ。ライトを前後に装着し、夜間はもちろん、昼間も点灯することで事故を未然に防ぐことができる。とりわけ、追突事故の防止に効果的なのが、 ウィンカー機能を備えた自転車用テールライト「nubeam(ヌービーム)NB600J」だ。
通常の赤色テールライトと、ハンドルに装着するコントローラーがセットになっている。コントローラーの左右ボタンとテールライトの左右が連動し、ボタンを押した方向に合わせて黄色と赤色に点滅し、同時に注意喚起のビープ音が発せられる。ウィンカーを点滅させて周囲に動く意思を知らせ、目視で安全を確認してから進めば追突のリスクを軽減できる。
さらに、ツーリングの途中などでカフェやコンビニに立ち寄ったり自転車から離れるときは、コントローラー部分をハンドルからワンタッチで外して店内に持ち込めば、盗難防止アラームとしても使うことができる。自転車が振動を感知すると、自転車に装着されたリアライトからアラーム音が鳴り、コントローラーはアラーム音と赤色の点滅で異常を知らせてくれる。音や点滅はモード選択でオフにできる。
テールライトとコントローラーはUSBケーブルで充電できるので、自転車通勤の場合は、昼間に充電しておけば帰りにバッテリー切れの心配もない。
フロントライトを点灯しないと周囲の歩行者やクルマから見えにくく、出会い頭の事故などの危険性が高まってしまう。周囲から確認しやすい明るい服装(反射材などが付いている服がおすすめ)と、明るいフロントライトを装着して点灯させるようにしよう。
800ルーメンの明るさ! 視認性を高めるライト
明るいフロントライトはサイズが大きくハンドルなどに装着しにくいことが多いが、自転車リフレクターやライトなどを製造する日本のキャットアイがリリースする「VOLT800」は、ハンドルに装着できるサイズ(116×31.2×43.2mm)で、最大約800ルーメンの明るさを放つ。街灯のない暗い夜道でも、路面を照らして状況を確認しながら走れる明るさだ。
自転車のハンドルに明るいフロントライトを装着する場合は、クルマのドライバーの視線に直接当たらないように少し下向きに装着するのがポイント。また夜間走行時は、ライトは点滅でなく点灯することが原則だ。
U字&ワイヤーで防犯性アップ! 盗難見舞金付きロック
ライトとともにアップグレードしたいのがロックだ。警視庁によると、2017年の都内の自転車盗難発生件数は4万件以上だという。そのうち約6割は、ロックを装着していたにも関わらず盗難されているといい、切断されにくい防犯性の高いロックを用意して効果的な方法で施錠することが重要となる。
防犯効果が高い施錠方法は、金属製のパイプなどで作られたU字ロックで街灯など動かないものに自転車を固定すること。さらに、太さや長さのあるワイヤーや鎖などでできたワイヤーロックで自転車とホイールを、長さに余裕があれば街灯などもすべて通してロックすることがおすすめだ。
ドイツの大手ロックメーカー・アブスでは、さまざまなタイプの自転車用ロックがラインアップされているが、「ウルトラ ミニ410SH+コブラ」はU字ロックとU字ロックに通して使う両端が輪になったケーブルロックがセットになっている。
さらに、アブスでは購入後3年間、もし愛車が盗難されてしまった場合に、最大10万円のお見舞金が支払われる「アブス盗難見舞金制度」が用意されている。ただし、日本代理店のダイアテックが販売する対象商品を正しく取り付けた状態で盗難にあった場合に限る。
[日経トレンディネット 2018年7月3日付の記事を再構成]
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