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介護保険制度はいま 給付総額、開始時の3倍に 報酬改定、効率化目指すも「力不足」

2018/7/15

写真はイメージ=PIXTA

 平日の夜。筧家のダイニングテーブルでは、夕食を終えた幸子と恵がお茶を飲みながらくつろいでいます。そこへ会社の同期入社の人たちとの飲み会に参加していた良男が帰宅しました。上機嫌かと思いきや、少し深刻そうな表情です。

筧恵 同期の人たちと久しぶりに会った感想は?

筧良男 みんないろいろ家庭に問題を抱えていて、同期の一人は親の介護が始まったらしい。来週、ケアマネジャーと介護プランを話し合う予定だって。

筧幸子 介護は他人事ではないわ。高齢化とともに要介護認定者数は増え続け、2017年には641万人に達したの。公的介護保険制度が始まった2000年は218万人だったから、約3倍に増えた計算よ。これに伴い、公的介護サービスの総費用(給付費)も膨らみ続け、約10兆8000億円とこちらも3倍に増えたわ。

 何か対策はないの?

筧幸子(かけい・さちこ、48=上) 筧良男(かけい・よしお、52=中)  筧恵(かけい・めぐみ、25) 

幸子 国は2018年度の介護報酬の改定で、介護を受ける人の自立に向けた支援や重度化を防ぐ取り組みに報酬を手厚く配る一方、比較的収益率が高いとされる大規模な通所介護事業所の報酬を減らしたり、福祉用具のレンタルに上限価格を設定したり、給付の効率化に取り組んでいるの。それでも、増加する介護費の抑制には「力不足」との指摘もあるわ。

良男 なるほど……。同期のことだけど、ヘルパーの人に来てもらうようになれば、安心できるんじゃないの?

幸子 公的介護サービスは「受けたい」と言えばすぐに受けられるものじゃないの。医療保険制度と違って保険証を持っているだけではサービスは利用できないわ。親に何らかの支援や介護が必要だと感じたら、親が住んでいる地区を管轄する地域包括支援センターか市区町村の担当課に相談して要介護認定の申請をする必要があるの。

良男 公的介護保険制度では、支援や介護が必要な度合いを要支援1から要介護5までの7段階に分けているよね。

幸子 例えば要介護2の心身状態の目安は「トイレや入浴などに一部またはすべて介助が必要。起き上がりが自力では困難」など。要介護認定を受け、どんな介護サービスをどのくらい利用するかの計画を立てるのがケアプランよ。本人や家族が作成することもできるし、ケアマネジャーなどの専門職につくってもらってもいいわ。

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