グルメクラブ powered by 大人のレストランガイド

World Food Watch

ジェラートの父お膝元 フィレンツェではしごしたら… イタリア食紀行(上)

2018/7/19

ジェラートは本場イタリアでも子どもからお年寄りまで幅広く愛されている

暑さが厳しさを増すと、冷たいものを口にしたくなる。そんなとき乳脂肪分が少なく、さっぱりした口当たりのジェラートはまさにうってつけだろう。本場・イタリアでも幼児からお年寄りまでこよなく愛されている。歴史的にジェラートと縁(ゆかり)が深い古都、フィレンツェでジェラテリア(ジェラート専門店)をはしごし、最新トレンドを追った。

そもそもジェラートとは「凍った」を意味するイタリア語。そこから転じて、いつしかアイスクリームを指すようになった。日本でアイスクリームといえば、乳固形分15%以上(うち乳脂肪は8%)といった定義があるが、ジェラートは乳脂肪分がそれより低い。一般に5%前後なので、日本の分類に従えば、アイスミルクや氷菓のカテゴリーに含まれる。

近年、日本でもジェラートは人気だが、本場イタリアでもこの季節には欠かせないソウルフードならぬソウルスイーツ。ジェラート販売店の数は国内に3万店とも4万店ともいわれ、ジェラートしか取り扱わない専門店、ジェラテリアも街中に多い。地元の人に尋ねれば、きっとすぐにお薦めの店を紹介してもらえるはずだ。

「ジェラートの父」と呼ばれる男がいる。ルネサンス期に生きたベルナルド・ブオンタレンティである。本職は建築家で彼が手掛けた宮殿や要塞がフィレンツェに今も残る。彼は美食家でもあった。ジェラート製造機械を考案し、自らの名前にちなむジェラート「クレーマ・ブオンタレンティ」が後世に残る。まさに現代のジェラートのベースを築いたともいえる人物だった。

ジェラートの父のお膝元、フィレンツェで素材などにしっかりとこだわり、すべて手作りしている人気のジェラテリアを回ることにした。

■ラ・ソルベッティエラ

地元客らでにぎわうラ・ソルベッティエラ

フィレンツェ中心部のターミナル駅、サンタ・マリア・ノヴェッラ駅周辺の雑踏を抜け、歩いて約20分。ルネサンス時代の城壁が広がるタッソ広場の前に店を構える「ラ・ソルベッティエラ(LA SORBETTIERA)」。知る人ぞ知るような場所にあるため、当初は地元客が中心だったが、近年はわざわざ足を運ぶ外国人観光客らが増えている、と店主のアントニオ・チャバットーニさん。インスタグラムなどのSNS(交流サイト)の影響らしい。

アントニオさんが現在の地に店をオープンしたのは2009年。だが、曽祖父の代からイタリアやドイツでジェラテリアを営む家系で、アントニオさんも14歳のころから家業を手伝ってきたという。

ラ・ソルベッティエラのジェラートは地元トスカーナ州などから調達した厳選素材を用い、すべて手作り。牛乳や生クリームにピスタチオやヘーゼルナッツ、チョコなどを混ぜたり、砂糖と水に季節のフルーツを混ぜたりして様々なフレーバーに仕立てる。店頭には常時16種類の味を用意し、売り切れたら、別の味を投入する方式で毎日平均20~25種類のフレーバーを提供している。

グルメクラブ 新着記事

ALL CHANNEL