マネー研究所

日経マネー 特集セレクト

「地方で3代続く会社は信頼できる」外山滋比古さん 株投資歴65年、知の巨人が明かす実践術(下)

日経マネー

2018/7/27

──話題になっていない成長銘柄を見つけるにはどうしたらいいのでしょう。

(撮影:川田雅宏)

「最も重要なのは経営者。その会社が将来伸びるかどうかは、企業の第一の運転手である経営者の手腕にかかっていますから。売り上げや利益といった数字をいくら見ても仕方がない。しかし一般の投資家にとっては、どんな人が経営しているかを知るのは難しい。

例えば、東芝は代々、旧財閥の三井系の人が社長をしていて日本で最もいい会社の一つだったが、いつの間にかあんな会社になっていた。その間に経営者が代わり、会社が変わったことをマスコミがきちんと報じていたかというと、そうではないでしょう。表面的な数字ではなく、経営者の手腕やその会社の内部事情などをもっと報道してほしい。

原則の一つを挙げると、地方の会社で3代続いているようなところはかなり信頼できる。北九州市に本社がある安川電機はその一つ。そうした会社として今注目しているのは、富山県を地盤とする機械メーカーの不二越ですね。産業用ロボットの開発・製造に注力していて、安川電機のようになるかもしれない」

──株式投資をされてきた65年の間には、バブル崩壊やリーマン・ショックなど暴落が何度かありました。どう対応されましたか。

「いずれもじっとしていました。そこで慌てて売れば損をする。売らなければ、7割は直に価格が戻ります。後の3割は諦めるか、さらに上がるのを待つかです。とにかく下がったら売るのは駄目。そのために売らなくて済むようにしておく。有り金の3分の1以内にとどめることはやはり大事です」

外山滋比古さん
1923年生まれ。東京文理科大学英文科卒業。雑誌『英語青年』編集長、お茶の水女子大学教授を経て、同大学名誉教授。86年上梓の『思考の整理学』(筑摩書房)は200万部超のロングセラー。近著『知的な老い方』(だいわ文庫)では30歳から始めた自身の株式投資の魅力を語っている。

(聞き手は日経マネー 太田留奈、中野目純一)

[『日本の億万投資家名鑑 必勝編』の記事を再構成]

日本の億万投資家名鑑 必勝編

著者 : 日経マネー編集部
出版 : 日経BP社
価格 : 1,404円 (税込み)


マネー研究所 新着記事

ALL CHANNEL