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「地方で3代続く会社は信頼できる」外山滋比古さん 株投資歴65年、知の巨人が明かす実践術(下)

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2018/7/27

外山滋比古さんは「特定の銘柄を気に入って惚れ込み過ぎるのもよくない」と話す。(撮影:川田雅宏)
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知的な生き方や思考の方法論などの著作で知られる英文学者の外山滋比古さん。30歳だった1953年から株式投資を始め、65年にも及ぶ投資経験から得た哲学やノウハウについて聞いた。3回目は銘柄の選び方、暴落時の対応について語ってもらった(前回記事「『株は損をするからこそ面白い』外山滋比古さん」はこちら)。

◇  ◇  ◇

──一喜一憂の一喜をもたらしてくれる株を手にするには、やはり大きく値上がりする可能性のある銘柄を選ぶことが必要では?

「やはり好きな株を買うから、結果として損をしても我慢できる。他人から『この株は儲かるよ』と言われて買って儲からなかったら『騙された』と怒るでしょうが、自分で好きになって信じて買った銘柄が思い通りにならなかったら、諦めるしかない。結局は偶然の結果ですから」

■銘柄に惚れ込むのは禁物

「ただ、特定の銘柄を気に入って惚れ込み過ぎるのもよくない。そうならないために、銘柄をなるべくたくさん持つ。3つや4つじゃ駄目。少なくとも10から15銘柄でそれも色々と違うものを持つ。『こっちが青ならこっちは黒』『あっちが三角ならあっちは丸』というように。そうして色々な選択をすると、偶然の確率が上がる。同じものばっかり、丸ばっかりだと全滅してしまう。色々なものが混ざって、丸が駄目でも三角や四角があると雑然とした状態がいい。だから、ポートフォリオは論理を超越したものになる。

世の中が『丸がいいですよ』と言っていても、それに賭けたら駄目なんですよ。丸だけではなく、その反対のバツも持つ。バツも案外面白いかもしれないから、丸を買ったらバツも買う。こういうことも失敗と成功を繰り返しているうちに、自然と身に付く。経験から得る知恵のようなものだね。

株式投資は、偶然というものの存在を知る上でもいい。実際の経験で偶然の存在を知るには、一生かかることもある。偶然というのは非常に面白いものです。株式投資なら2~3年やっていれば、偶然というものがあることが誰にでも分かる。思うようには行かず、理屈通りにも行かないから。そして偶然に素直についていけば、偶然の良い面が出てくる。うまくいけば60%、悪くても30%くらいの勝率があるという形になってくる」

■最も重要なのは経営者だが

──安川電機の株を買った時は「これからはロボットの時代が来る」というシナリオを描かれていますね。そうしたシナリオはどう構想していますか。

「一番いいのは、特別に話題にもなっていないが、将来性のあるものを見つけることです。なかなか難しいことですが。例えば今、ガソリンや電気に続くエネルギーの候補に水素があって、東京五輪までに水素バスを走らせるという計画もあるようですが、水素にはそれを備蓄する『水素ステーション』の建設にかなりのお金がかかるという問題がある。水素が本当にガソリンや電気に取って代わるかどうかは分からないが、今水素を製造している限られた会社の株を買っておけば、大富豪になれるかもしれない。恐らく株価は1000倍くらいにはなるでしょうから」

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