「株は損をするからこそ面白い」外山滋比古さん株投資歴65年、知の巨人が明かす実践術(中)

日経マネー

──失敗を重ねる中でも、やはり大きく儲かる株が時々出るから、全体として資産を増やせてこられたわけですよね。

「そうそう」

──そうした「大化け株」はどうやってつかんだのでしょうか。

「それは分からない。偶然です」

──偶然、ですか?

「恐らく会社の経営者もなぜ事業が成功するのか分からないでしょう。何か運が良くって成功するので。何か特別なことをして成功した場合もないわけではないでしょうけれども。だいたい商売っていうのは運ですよ。

株も運です。運が悪ければどんなに努力しても損をするし、運が良ければいい加減でも儲かる。それはまさにギャンブル。ギャンブルであることを認めれば、ある程度は損をすることを覚悟する。それに損をするからこそ儲けた時に面白い。損をしなかったら、儲けたって面白くないですよ。

また、損は忘れることができます。トータルで儲かれば、お金は減っていないので、損は忘れられる。もちろん、損ばかりしていたらお金が無くなっちゃうから、忘れることはできません。ですが、ある程度健全にやっていれば、儲けて損して、儲けて損してを繰り返して、だいたいはトントンになるのが普通です。自然に起きる偶然が積み重なった末の結果であれば、大きなマイナスになるということは起きにくい。考えてみれば、株式投資というのは割と安全なギャンブルです」

外山流 失敗しないための6つのコツ
外山滋比古さん
1923年生まれ。東京文理科大学英文科卒業。雑誌『英語青年』編集長、お茶の水女子大学教授を経て、同大学名誉教授。86年上梓の『思考の整理学』(筑摩書房)は200万部超のロングセラー。近著『知的な老い方』(だいわ文庫)では30歳から始めた自身の株式投資の魅力を語っている。

(聞き手は日経マネー 太田留奈、中野目純一)

[『日本の億万投資家名鑑 必勝編』の記事を再構成]

日本の億万投資家名鑑 必勝編

著者 : 日経マネー編集部
出版 : 日経BP社
価格 : 1,404円 (税込み)


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