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「だれでもトイレ」に健常者 必要な人にしわ寄せも オストメイト、LGBTなどに対象広がったが…

2018/7/19 日本経済新聞 夕刊

東京五輪・パラリンピックに向けて「だれでもトイレ」の整備が進んでいる

 ハンディを持つ人が使う多機能トイレの利用方法が混乱している。車いす利用者向けに広がったが、その後、高齢者や乳幼児連れなどにも拡大しているためだ。「だれでも」「みんなの」など名称が曖昧で、健常者の利用が減らないことも混乱に拍車を掛ける。2020年の東京五輪・パラリンピックを前に整備が進む「だれでもトイレ」、一体誰のものなのだろう。

■あなたがなぜ?見かけで判断できず

「だれでもトイレ」の利用が増えた結果、車いすに乗る人が待たされることもある

 東京・浅草の商業ビルでこんな光景に出くわした。「もう20分も待っているんだけど」と漏らす車いすの男性。目の前の多機能トイレには車いすのほか、高齢者、オストメイト(人工肛門利用者)、ベビーカーなどの図記号(ピクトグラム)が並んでいる。

 催促のノックから5分、ようやくドアが開いた。出てきたのは30代とおぼしき女性。待ちくたびれた男性に言葉もかけず、足早に立ち去った。

 自らも電動車いすを使う東京バリアフリー協議会(東京・江東)の齋藤修理事長は「健常者が使っていて、待たされることはしょっちゅう」と憤慨する。では浅草のトイレを占拠していた女性は非難されるべきなのだろうか。見かけで判断するのは早計だ。

 「オストメイトは外見では健常者と区別しにくい。多機能トイレから出てきたところを非難の目で見られ不愉快な思いをする仲間も多い」と日本オストミー協会(東京・葛飾)の谷口良雄会長は話す。

 オストメイトは人工肛門からの排せつ物を受ける袋を衣類の下に付けているが、外からは見えない。装具の洗浄設備があるトイレが増えたとはいえ、「そもそもの認知度が低く、誤解は減っていない」(谷口会長)。

■密室ゆえに疑心暗鬼の不満たまる

 障害者用トイレの本格整備が始まったのは1994年のハートビル法にさかのぼる。回転に広さが必要な車いす専用が先行。2000年の交通バリアフリー法以降は「オストメイト、乳幼児連れなどに対応する多機能なトイレを目指すようになった」とバリアフリー設計に詳しい高橋儀平・東洋大学教授は解説する。

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