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アサヒ「透明ビール」 毎月進化、味わいの軽さ追求

2018/7/11

アサヒビールが開発した透明な発泡酒「クリアクラフト」

アサヒビールが透明な発泡酒「クリアクラフト」を開発した。2018年6月下旬、7月下旬、8月下旬と3回に分け、各3000杯を直営の4店舗限定でテスト販売する。6月25日に始まった初回の販売は、早い店ではわずか2日で売り切れ、遅いところでも7月4日までに完売した。

「クリアクラフト」取扱店の一つ。BEER&SPICE SUPER"DRY" KITTE丸の内店。このほか東京では「スーパードライ新宿」「TOKYO隅田川ブルーイング」。大阪では「BW STATION」で取り扱う

クリアクラフト開発の中心となった開発プロジェクト部の西山雅子氏、酒類開発研究所開発第一部の大橋巧弥氏から商品開発の苦労などを聞いた。

開発プロジェクト部の西山雅子氏

透明なビール系飲料の開発は8年前に遡る。真夏のビーチサイドなど、ビールの味が「重く」感じてしまうときに、もっと軽く飲めるものを作りたいと西山氏が考えたのがきっかけだ。そして、無色の飲み物はすっきりして見えることから色をなくすことに挑戦したのだ。「MS(Mirai Special)」というコードネームを付け100回以上の試作を繰り返した。が、当時の技術では透明にしようとすると、アミノ酸不足から、イオウのような不快な臭いが残ってしまい、それを取り除くことはできなかった。

2017年11月からアサヒビールでは、小規模な製造設備を使って革新的な商品を開発して直営店で販売する仕組みを始めており、そこで再チャレンジが始まった。

今回はビールが重く感じられる理由の一つとして、「ビールを飲むとおなかが膨れる」といわれるのを解決しようとした。

■アミノ酸を除いたら、臭いも色も消えた

おなかが膨れるのは炭酸のせいで仕方ないと思いがちだが、チューハイやハイボールを飲んで「おなかが膨れる」と思う人よりもビールを飲んでそう思う人の方が多い。そこで、ビールに含まれるアミノ酸が満腹感をもたらすのではないかと考えて、アミノ酸を取り除いてみることにした。

通常、ビールを醸造するときはアミノ酸が酵母の栄養となり、酵母を増殖するという過程が入る。8年前に開発に失敗したときは、アミノ酸を減らしてはいたが、なくしてはいなかった。そしてアミノ酸不足によって不快な臭いが残ってしまったのだ。

ところが、アミノ酸を最初から取り除いて酵母の増殖過程をなくしたところ、発酵速度はゆっくりになるものの、不快な臭いを出さずにアルコール発酵が可能になった。さらに、アミノ酸をなくしたことにより、色も付かなくなり、透明という目的も達成できた。

■他の酒類のテクニックも取り入れる

「これでいいと思ったら、西山は満足しない。『もっとすっきりさせたい』と言うんです」と大橋は振り返る。

酒類開発研究所開発第一部の大橋巧弥氏

そこでクリアクラフトではさらに、ユニークな方法を導入した。

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