――リーダーとして、今も教訓としている失敗はありますか。

ファーレン東京(現フォルクスワーゲンジャパン販売)社長も務めた

「ビー・エム・ダブリュー東京で支店長になった時、販売を指揮する立場になるので担当していたお客様を部下に任せることになりました。そんな中、あるお客様から『任せきりにしないで、林さんもちゃんとそばにいてほしい』というお叱りを受けたんです。うれしく思ったのですが、深く反省もしました。現場に足を運ぶ時間が減っても、電話でお礼を伝えたり、お手紙を書いたりとできることはいくらでもあるわけです。どんな立場でも『お客様に寄り添う気持ち』こそが大切なのだと教えられました」

――民間での経験は市長が力を入れている企業誘致の場でも生きていますか。

「横浜市は一部上場企業がすごく少なく、大都市でありながら法人市民税が非常に少ないんです。だから大企業の本社を誘致しなければと考えました。私はダイエーの会長だったり、経済同友会にも入っていたりして、様々な企業の方とお付き合いがあり、話しやすい。次々と企業のトップに会いました。企業誘致セミナーに参加してくれた企業には直筆の手紙を送りました。京浜急行電鉄が2019年秋に本社をみなとみらいに移す予定で、ほかにも続々と企業が進出を決めてくれています」

「横浜に人を呼ぶイベントの開催にも企業の協力が欠かせません。例えば(アニメ『ポケットモンスター』の人気キャラクター)ピカチュウが市内のあちこちに登場する夏のイベントは14年から毎年続いています。昨年は(横浜を花で彩る催し)『全国都市緑化よこはまフェア』を開きました。でも行政が楽しいことにお金をかけるのは使い捨てになるのではとの懸念があり、非常に壁があります。しかし、こういう時こそトップの強い意志が必要です。実現させるには日ごろから経済界や様々な方とコミュニケーションをとり、よく話を聞く市長であることが大事です」

林文子
 1965年東京都立青山高校卒。東洋レーヨン(現東レ)入社。77年ホンダの販社に入社し、1年目から売り上げトップに。87年ビー・エム・ダブリュー(BMW)東京事業部(現BMW東京)に転職。99年ファーレン東京(現フォルクスワーゲンジャパン販売)社長。BMW東京社長、ダイエー会長などを歴任し、2009年から横浜市長。

(杉垣裕子)

管理職・ミドル世代の転職なら――「エグゼクティブ転職」

5分でわかる「エグゼクティブ力」
いま、あなたの市場価値は?

>> 診断を受けてみる(無料)

「エグゼクティブ転職」は、日本経済新聞社グループが運営する 次世代リーダーの転職支援サイトです

NIKKEI 日経HR


「私のリーダー論」の記事一覧はこちら

マネジメント層に必要な4つのスキルを鍛える講座/日経ビジネススクール

会社役員・経営幹部の方を対象とした、企業価値を高める経営の実務に役立つビジネス講座を厳選

>> 講座一覧はこちら