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新書コーナーのメインの平台に6冊並べて面陳列する(紀伊国屋書店大手町ビル店)

新書コーナーのメインの平台に6冊並べて面陳列する(紀伊国屋書店大手町ビル店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測している紀伊国屋書店大手町ビル店に戻る。大企業が集中する街だけあって、株主総会シーズンの6月後半はこれに関係した実務書の動きがよく、一般向けのビジネス書では目立った売れ行きを示すベストセラーは乏しい。そんな中、好調な売れ行きが続いているのは、事業再生投資を手がける経営者が書いた、サラリーマンに個人M&A(買収・合併)をすすめる新書だった。

中小企業を買って経営せよ

その本は三戸政和『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』(講談社+α新書)。ストレートなタイトル通り、主に大企業のビジネスパーソンに中小企業を買って経営することをすすめる内容の本だ。著者は、中小企業に対する事業再生・事業承継に対するバイアウト投資を事業とする会社、日本創生投資の代表取締役最高経営責任者(CEO)。自社のノウハウを広く開示するとともに、大きな企業で培ったビジネス力を生かして中小企業の経営をともに担っていこうと誘う。それが退職後の資産形成につながり、今進行している「大廃業時代」の解決策にもなると説く。この視点が老後に不安を抱くビジネスパーソンの琴線に触れたのか、4月の刊行以来2カ月以上にわたって売れ続けている。

序章プラス全5章でなぜ中小企業を買うべきか、買収するにはどうすればよいかが説かれていくが、第1章が「だから、起業はやめておきなさい」、第2章が「飲食店経営に手を出したら『地獄』が待っている」と、初めのうちはシニア起業には否定的な話が続く。ゼロからイチを生み出す起業がどれほどたいへんで、安易に手を出しがちな飲食店市場がどれほどレッドオーシャン(激戦市場)かを徹底して説いたあと、著者は個人M&Aの話をおもむろに始める。

生きる大企業サラリーマンのビジネス力

中小企業の多くは、大きな会社では想像がつかないほど、前近代的な仕事の仕方で業務を回していると著者は言う。それでもきちんと利益を出している企業がたくさんある。そこに大企業のビジネス力を導入して業務効率を改善すれば、成長できる会社がたくさんあるというのだ。

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