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問い続ける人の思考法

「レール外れた」楽天マン 楽しく価値生む働き方とは 楽天大学学長・仲山考材代表取締役の仲山進也氏(上)

2018/7/8

楽天大学学長と仲山考材代表取締役を兼任する仲山進也氏

 予防医学研究者の石川善樹氏が、自らの価値を世に問い続けている人々の思考法に迫る対談シリーズ。今回は楽天の正社員でありつつ、自ら立ち上げた会社も経営する仲山進也氏に聞く。2007年に楽天でただ一人、兼業自由、出社の義務もないフェロー風正社員となり、社内外の様々な人たちと新たなビジネスを創出してきた。企業に属しながら、自由に働くとはどういうことか、自身の経験に基づいて語ってもらった。

■夢中で遊ぶように仕事をすると人が集まってくる

石川 仲山さんはこのほど、「組織にいながら、自由に働く。」(日本能率協会マネジメントセンター)という著書を出版しました。タイトルはご自身の働き方そのものですね。楽天のような大組織で、どのように今のポジションを築いたのですか。

仲山 シャープに2年いて、1999年に楽天へ移りました。インターネットショッピングモール「楽天市場」ができて2年ほど、社員はまだ20人くらいの頃です。当初はEC(電子商取引)コンサルタントとして、楽天市場に出店する店長さんと一緒に「どうすればネットでよい商売ができるか」と試行錯誤するのが仕事でした。そのうち、ネットショップ運営の知見やノウハウがたまっていき、三木谷浩史社長(現在は会長兼務)が「楽天市場版のMBA(経営学修士)をつくりたい」と考えるようになります。こうして店長さん同士が学び合える場として、00年に楽天大学という教育事業を始めることになり、私が立ち上げを担当しました。

石川 仲山さんは、店長さんにどんなことを教えているんですか。

仲山 「店長さんに教える」というより、「店長さんと遊ぶ」という方が近いです(笑)。楽天大学をつくるにあたって、三木谷社長のオーダーは「小手先のテクニックというより、人はなぜモノを買うのか、といった本質的なフレームワークをつくってほしい」ということでした。お客さんが最初はほしいと思っていない「卵」や「ところてん」をどうやったら買いたくなってもらえるか、みたいなことを店長さんたちと一緒にディスカッションしたりしていました。そんな中で、「夢中で遊ぶように仕事をしていると、新しい価値や魅力が生まれて自然に人が集まってくる」ということを体感しました。商売が軌道に乗ったお店とは、チームビルディングや理念づくりなどへと「遊び」の幅を広げていきました。

石川 仲山さんは楽天大学の学長として講座をつくったり、講演したりする業務と、他部署との調整や部下を管理するマネジャー職を兼任していた時期を経て、学長職に専念する道を選んだそうですね。

仲山 マネジャー業務だけで手いっぱいで講座をつくる時間が全く取れない割に、マネジメントとは何かをわかっていなくて部署の雰囲気もよくないという、誰もハッピーでない状態でした。それを解消するため、別にマネジャーを置いてほしいと「白旗宣言」をしました。それ以来、学長といいながら部下はいません。社内の人からは、組織のレールから外れた変な人とみられているようです(笑)。

楽天大学
 2000年に仲山氏が中心となって立ち上げた、楽天市場に出店する店舗向けの教育事業の名称。楽天内の組織で、学校法人ではない。主にオンライン講座を通じて、電子商取引(EC)のほか、チームづくりや理念づくりまで幅広く店舗を支援する。

仲山考材
 2008年に仲山氏が設立した株式会社。EC経営者や運営者など主に中小企業向けに、オンラインで電子商取引やチームづくりなどを学ぶ講座などを運営。考えるための素材(考材)やきっかけを提供して、人やチームの成長を応援(Empowerment)する。楽天との資本関係はない。

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