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だめ人事評価が社員を腐らす 目標に「努力」はご法度 あしたのチーム 高橋恭介会長に聞く

2018/7/7

あしたのチームの高橋恭介会長

 働き方改革関連法が成立し、企業はより一層の生産性向上を迫られる。特に人手不足に悩む中小企業にとって、非正規社員の賃金適正化や長時間労働の是正といった施策は不可欠とはいえ、経営の重荷になりかねない。従業員の待遇改善を進めつつ、収益を伸ばしていくには何が必要か。人事評価制度の構築とクラウドによる運用サポートを手掛ける、あしたのチーム(東京・中央)の創業者である高橋恭介会長は「適切な人事評価こそ生産性向上の決め手」と話す。

■目標設定の「自己決定感」が重要

 「日本企業の生産性が低いのは、従業員の成果と報酬を連動させていないから」。高橋氏はこう分析する。日本企業は高度成長時代に主流だった年功序列を改め、年齢でなく業務の成果に応じて賃金を決める成果主義の評価制度を徐々に取り入れてきた。だが「大半の企業は表面上の形を整えただけで、実態は年功序列が残っている」という。

 日本企業が実施している一般的な評価制度は、半年あるいは1年ごとに、従業員が成果目標を自ら設定。期間が終わると、上司との面談を経て相対的に評価し、報酬に反映させる。高橋氏は「多くの企業では目標の設定の仕方自体が曖昧になりがちで、結果として評価も公正さを欠き、従業員のモチベーションの向上につながっていない」と指摘する。

 評価と報酬を連動させ、従業員のやる気を引き出すにはどうすればよいか。高橋氏は3つのポイントを挙げる。

 1つ目は、従業員が目標を決める際の「自己決定感」を高めることだ。あしたのチームが開発した人事評価システムは、仕事ができる人の特性(自分に足りない部分を積極的に取り入れる、自ら苦労を買って出る、など)をモデルにして自分なりの目標を立てる行動目標と、売り上げなどの数値目標という2つの軸で評価する方式。この評価方式自体は一般的に広く導入されている。

 ただ、多くの場合「行動目標を立てる際にモデルをなぞるだけで、ひとごとの目標になってしまいがち」だという。そこで同社では、例えば「朝8時から8時半まで新聞を読み、8時半から9時までは読書にあて、月1冊は本を読んで上司に報告する」「顧客訪問の際は必ず、その会社が開く懇親会や交流会の予定を聞き、月1回は新たな会合に参加する」「新入社員のプレゼンテーションを指導するため、毎週2時間をその業務に充てる」といった具体的な目標を立てるようアドバイスしている。「努力する」「できるだけ」「~したい」といった言葉はご法度だ。

 また高橋氏は従業員が目標を立てる前に、トップ自らがその期間の会社全体の経営方針を全従業員と共有することが大前提だと話す。「目標は裏返せば、会社がその人に求める期待値。十分な情報が提供されなければ、いくら考えても自分ごとの目標にはなりえない」

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