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ピアニスト藤田真央 10代最後のショパン

2018/7/7

 ピアニストの藤田真央さん(19)が10代最後のCDを5月に出した。通算3枚目。得意のモーツァルト作品に加え、ショパンの曲にも挑んだ。2017年にスイスの第27回クララ・ハスキル国際ピアノコンクールで第1位となった若手実力派。20代への抱負と方向性について聞いた。

 「モーツァルトをもっと弾きたい」。東京音楽大学で学ぶ藤田さんは、最も思い入れのあるモーツァルトから語り始めた。見た目も話し方も今どきの普通の大学生だ。「個人的にはモーツァルトのピアノ協奏曲を弾きたい。27曲もあるのに日本ではなかなか弾く機会がない」。協奏曲はオーケストラとの共演になるので「弾かせてくださいとはなかなか言えない」。演目について指揮者やオーケストラを説得し我を通すのは、学生として分不相応とわきまえている気配だ。

クララ・ハスキル国際ピアノコンクールで優勝

 しかし藤田さんは我を通してもいいほどの実力を10代にして証明してきた。決定打は昨年のクララ・ハスキル国際コンクールでの優勝だ。2年に1回開かれる同コンクールの歴代優勝者にはクリストフ・エッシェンバッハ氏やミシェル・ダルベルト氏など当代一流のピアニストが名を連ねる。藤田さんは日本人では坂上博子さん、河村尚子さんに続く歴代3人目の優勝者になった。

 クララ・ハスキル(1895~1960年)はルーマニア出身の高名な女性ピアニスト。古典派と前期ロマン派、とりわけ古典派のモーツァルト作品で20世紀最高水準の演奏芸術を生み出した。イーゴリ・マルケヴィチ指揮コンセール・ラムルー管弦楽団とのモーツァルト「ピアノ協奏曲第20番&24番」は名盤中の名盤といわれる。

 「クララ・ハスキル国際で優勝できたことを本当に誇りに思う」と藤田さんは言う。モーツァルトを得意にしたピアニストにちなむコンクールである上に、特異な選考に共感してもいるからだ。まず課題曲として前期ロマン派のシューマン最晩年のピアノ曲集「暁の歌」(作品133)を出場者全員が弾かなければならない。さらにはスカルラッティ、ベートーベン、ハイドン、モーツァルトのソナタを弾く。「古典がベースにあるコンクールで優勝できたのは音楽家として一番うれしい」。こうした作品群を弾きこなせばハスキルが現代によみがえるといったイメージだ。

 5月23日リリースの「passage(パッセージ)」(発売元ナクソス・ジャパン)は同コンクール優勝後初めてのCDでもある。モーツァルト「ピアノソナタ第18番ニ長調K.576」とショパン「ピアノソナタ第3番ロ短調作品58」を中心に据え、シューマンとリストの曲も加えて計7作品を収録した。中でもモーツァルトの「ピアノソナタ第18番」は「僕が非常に重きを置いている作品」であり、同コンクールでも弾いた。

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