マネー研究所

定年楽園への扉

定年後の田舎暮らし まずお試しで滞在型農園はいかが 経済コラムニスト 大江英樹

2018/7/12

写真はイメージ=123RF

リタイア後に地方移住したいと考える人は少なくないようです。「人生100年」といわれるように、定年後に30年以上の余生が待っている時代になりましたので、それまでの都会生活とは全く違う生活を地方で送ることも悪くない選択です。

英国人の理想は都会で働いた後、地方で田園生活を営むことといわれます。田舎暮らしにはどことなく憧れるものですが、決して簡単ではありません。

何といっても、最大の関門はパートナーの気持ちです。独身の方なら気楽でしょうが、奥様がいる方は同意を得る必要があります。理想とするライフスタイルは夫婦といえども同じとは限りませんから、すんなりと実現するとは限りません。

■地方に移住すると数々の問題が出てくる

特に、田舎で自給自足の生活をするような場合、奥様は反対するかもしれません。状況によっては奥様だけ都会に残り、別々に暮らすということも考えられます。

さらに、自分の出身地に移住するのであればともかく、都会暮らしの人が見ず知らずの田舎に家を買って移り住むと数々の問題が出てきます。土地それぞれ価値観やライフスタイルは異なりますし、地域コミュニティーに入り込んでいくのはなかなか難しいものです。

そもそも、病院などの社会インフラが整っている都会の便利な生活に慣れた人間が田舎で暮らせるのかという問題もあります。年老いてくると、健康に不安が出てくるものです。そのとき、満足な医療サービスが受けられないようなら、日々心配を抱えて暮らさなければならないでしょう。そうした現実が分かってきたせいか、地方移住もそうですが、ひと頃流行した海外移住もさほどではなくなりつつあります。

農業体験が目的なら、地方に移住せずとも実現可能です。私が注目しているのが滞在型市民農園であるクラインガルテンです。日本でも各地に登場しており、これを試してみるのも一つの方法です。

クラインガルテンはもともとはドイツで200年ほど前に生まれた農地の賃借制度です。日本においても25年ぐらい前に誕生し、現在全国で60カ所余りの施設が運営されています。

私も先日、新潟県の小千谷市にある「おぢやクラインガルテンふれあいの里」に日帰りで取材に行ってきました。ここの運営主体は小千谷市で、地元の団体に業務委託をしています。

マネー研究所 新着記事

ALL CHANNEL