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イースターに売り出された動物パン。見ていて楽しくなるし、誰かにプレゼントしたくなる

イースターに売り出された動物パン。見ていて楽しくなるし、誰かにプレゼントしたくなる

日経MJの人気コラム「竹内謙礼の顧客をキャッチ」が『200社に足を運んでわかったお客さんがホイホイ集まる法則』(日本経済新聞出版社)のタイトルで1冊の本になりました。5年間250回にわたる連載の中から、一押しのノウハウ50の事例を選び、再取材の上、大幅加筆してまとめたものです。その50の事例から、10例を抜粋して紹介します。3回目は、イースターイベントを通じて潜在需要を発見したドイツパン専門店です。

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売上に直結しない販促イベントは無駄と思っている人は多いだろう。例えば、七夕の日に笹飾りを店頭に掲げたり、ひな祭りの日にひなあられをお客さんに配布したり、売上に直結しない販促イベントを行うと、「この企画は無駄では」と思うかもしれない。

しかし、結論を言えば、商売において無駄な企画というものは存在しない。もし販促イベントを失敗したとしても、そこで新たな発見があったり、改善点が見つかったりして、次回の販促イベントに生かすことができる。こうした経験の積み重ねが企画の成功確率を上げていく。

目の前でわかりやすい結果が生まれなければ、人は「無駄」と判断してしまいがちだ。実際にモノが売れたり、お客さんがサービスを利用してくれたりすれば、販促イベントは成功したと判断できるが、お客さん自身の表情や反応もわからないような販促イベントでは、「こんな無駄なことはもうやめよう」と、気持ちが折れてしまう。

ここではあるパン屋さんの販促でイベントのあり方について再認識した事例があるので紹介したい。

*   *

毎年3月から4月にかけて行われているキリスト教行事である復活祭「イースター」のイベントがある。クリスマスやハロウィンに比べれば、まだ知名度が低いが、このイベントで着実にファン客を増やしているお店がある。

東京都中央区にあるドイツパン専門店「タンネ」。イースターの時期にはウサギやヒツジの形をした期間限定のパンを並べる。多いときにはウサギパンだけで月500個を売ることもあるという。さぞかしイースターのイベントで盛り上がっているのかと、佐藤由木子社長に聞いたところ、意外な言葉が返ってきた。

「イースターを意識してドイツパンを購入しに来る人は、まだそんなに多くありません」

佐藤社長曰く、イースターのイベントが盛り上がるのは、期間限定のかわいらしい動物のパンとイースターの飾り付けをして、店内が賑やかな雰囲気になっていることが要因だという。

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