宙を舞う子ライオン 水牛に投げ飛ばされて学んだ掟
先日、南アフリカのクルーガー国立公園を訪れていた観光客グループが、アフリカスイギュウがライオンの子を角で投げ飛ばす様子を撮影した。サバンナで一体何があったのか、映像を見ながら確認しよう。
ライオンの子がトカゲを捕まえた。でも、子ライオンは、入ってはいけない場所に足を踏み入れてしまっていた。そこは、アフリカスイギュウの縄張りだったのだ。幼い子ライオンは、完全に不意を突かれた。スイギュウは、間髪入れず子ライオンに突進する。そして冒頭の映像のとおり、空中へと放り投げられた。
ナショナル ジオグラフィックのエクスプローラーで大型ネコ科動物に詳しいルーク・ダラー氏は、「スイギュウとライオンは、仲がよくないことで有名です」と言う。
米ノースカロライナ州カトーバ大学の教授でもあるダラー氏は続ける。「もちろん、ライオンはスイギュウを襲うこともあります。でも、そのときは、ライオンは群れで連携して狩りをするのです。動画に映っていたスイギュウは、自分のほうが強いことをライオンに思い知らせるチャンスを逃しませんでした。ライオンと同じ場所にいるのは、とても不愉快だということも教えたかったのでしょう」
ライオンの子は高さ1.5メートルほどスイギュウに投げ飛ばされた。くわえていたトカゲを失い、ほうほうのていで子ライオンは逃げ去った。周囲には注意を払わなければいけないこと、安易にスイギュウに近づいてはいけないことを身をもって知ったわけだ。成長期のライオンにとって、今回の経験は良い勉強になったことだろう。
(日経ナショナル ジオグラフィック社)
[ナショナル ジオグラフィック 2018年6月4日付記事を再構成]
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