親指の付け根が出っ張り傾いていたら 外反母趾を疑う足のアーチ崩れによる疾患(上)

日経ヘルス

2018/7/16
(イラスト:谷小夏)
(イラスト:谷小夏)
日経ヘルス

暑くなってきたのでサンダルを履くようになったが、親指の付け根が出っ張り、人さし指のほうに曲がっている――。それは外反母趾(ぼし)かもしれない。加齢に伴う足の“アーチ崩れ”による外反母趾や巻き爪について、3回に分けて紹介する。1回目は、外反母趾になる原因や注意点を見ていこう。

◇  ◇  ◇

(写真提供2点とも:池澤部長)

昔はヒールのある靴を履き続けられたけれど、最近は足先が痛くなるので幅の広いペタンコ靴を選びがち。しかも、足先をよく見ると親指が人さし指のほうに傾いている──。そんな人はいないだろうか。

足の親指(母指)が、その付け根の関節から人さし指のほうへ傾くように変形した状態を外反母趾と呼ぶ。

外反母趾の原因は大きく、体質と靴の2つに分けられる。「遺伝や足のアーチが崩れた扁平足(へんぺいそく)・開張足(かいちょうそく)、加齢といった要因が大きい。女性は特に筋力が弱く関節が軟らかいことも関係している。患者の9割以上が女性」と、永寿総合病院整形外科の池澤裕子部長は説明する。子どもの頃に発症する人もいるが、多くは30代以降で起こるといわれており、母親や祖母が外反母趾なら注意が必要だ。

(イラスト:谷小夏)

関節の軟らかい人、扁平足・開張足の人に外反母趾ができやすいのは、足を立体的に形作っているアーチの“崩れ”と関係している。「アーチには縦アーチと横アーチがあり、かかと、小指、親指の3点で体重を支えている。横のアーチが崩れると足は横に広がり、親指が筋肉や靭帯に引っ張られ、人さし指のほうに傾く。進行すると指や足底の一部に圧力が集中し、タコもできやすくなる」(池澤部長)。

(イラスト:なかがわみさこ)

靴による影響も少なくない。「ヒールが高く、先端の細い靴は、足先や横のアーチに体重が集中する上、足先が狭いところに押し込められる。親指が人さし指のほうに強制的に押しやられ、関節の構造が崩れる原因になる」と、池澤部長は説明する。

外反母趾はX線写真をもとに診断されるが、「外反母趾かも?」と心配になった人は、足先の形を紙に書いてみるといい。足の親指が人さし指に向かって16度以上傾いている場合は外反母趾の可能性が高い。一度、整形外科を受診してもいいだろう。次回は悪化を防ぐための足指エクササイズを紹介する。まだ軽症のうちは進行を食い止めることが期待できる。

池澤裕子さん
永寿総合病院(東京都台東区)整形外科部長。1995年東海大学医学部卒業。慶應義塾大学整形外科学教室入局、至誠会第二病院足と靴の医療センター、慶應義塾大学整形外科助手を経て2017年から現職。専門は足の外科。

(ライター:福原麻希、構成:日経ヘルス 中西奈美)

[日経ヘルス2018年7月号の記事を再構成]

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