夏ワイシャツ、襟形とサイズ感に注意 3年で買い替え
夏の高機能シャツ、選び方と着こなし方(下)
夏を涼しく過ごすための機能を搭載したワイシャツが次々と登場している。せっかく新しいシャツを買うのなら、しっかり今の流行も取り入れたい。2018年の注目機能を紹介した前編「汗・臭い対策に高機能の綿 猛暑乗り切る夏ワイシャツ」に続く後編では、18年のトレンドと、シャツ選びの基本を専門家に聞いた。
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05年の開始以来、すっかり普及した感があるクールビズ。日本気象協会が17年4月、20代から50代までのオフィスで働く会社員男女に実施した「クールビズに関するアンケート調査」によれば、クールビズの実施率は全国で61.5%。特に関東・甲信越地方では75%と、4人中3人が実施している結果となった。
一方で、クールビズのデメリットには「見た目がだらしなくなる」「TPOを考慮した服装のチョイスが難しい」が挙がり、服装の選び方に悩んでいる人もいることがうかがえる。涼しく快適に過ごすだけでなく、デザインやトレンドも意識したものを選びたい。着こなしのポイントはどこにあるのだろうか。
クールビズでも基本は変わらず
個人向けに洋服選びなどのスタイリングを行うパーソナルスタイリストのみなみ佳菜さんによれば「基本的にはクールビズでもスーツ本来のルールから外れないことが大切」だという。
「クールビズがはじまった当初は襟が2枚になっているものなど、ワイシャツに余計な装飾をつけたものが多くありました。ですが近年はフォーマル回帰の流れもあり、こうした傾向が薄れて本来のルールにのっとったものが増えてきています」(みなみさん)
ワイシャツのデザインは毎年マイナーチェンジを繰り返している。みなみさんによれば、そのトレンドが表れるのは「サイズ感と襟の形」だ。
「ここ2、3年はすごく細身がトレンドでしたが、それに比べるとややゆったりとしたサイズ感になりつつあります。襟に関してはセミワイドやホリゾンタルカラーといった、横に開いたものがトレンド。これらはクールビズ時のノーネクタイで、一番上のボタンを開けていてもきれいに見える効果があります」(みなみさん)
よりフォーマル回帰を意識するなら、胸ポケットがないものを選ぶのもよい。「クールビズ同様、胸ポケットは日本で独自に発展したもの。日常的に使っていないのであれば、ないものを選ぶのがベターです」(みなみさん)
さらに「新しく買うなら思い切って無地のシャツを買ってみては」とみなみさん。フォーマル回帰の流れから、スーツ本来のスタイルである無地シャツの人気が高まっているためだ。
「ただし、無地のシャツの場合は柄がないぶん、細かなところに目がいきやすくなります。そのため、きちんとサイズ感のあったものを選ぶことが大切です」(みなみさん)
サイズ選びは「肉を拾わず、かさ増さず」
みなみさんによれば、ゆったりしたサイズのほうが楽だと勘違いし、大きすぎるシャツを着ている男性は多いという。だが、実際はかえって余った生地が動きにくさの原因になる。自分に合ったサイズを選ぶには、どこに気を付ければいいのだろうか。
「目安としては、肉感(体のライン)を拾わず、実際の体よりも大きく見えない『肉を拾わず、かさ増さず』のサイズ感。胸まわり、腕まわり、胴まわりの3つのポイントで、このサイズ感を意識してみてください。ゆったりしたほうが好きという方は、サイズが大きいものを選ぶのではなく、綿100%やストレッチ素材など伸縮性のある素材を選ぶのも手です」(みなみさん)
細身がトレンドの今、サイズが大きいとそれだけで古く見える。みなみさんによれば、ワイシャツのデザインの耐用年数は3年だという。「3年たつとデザインも少し前のものに感じられるようになるし、生地も劣化してくる」
ポイントは「肉を拾わず、かさ増さず」のサイズ感と、襟の形。クローゼットを眺め、3年以上前に買ったものがあるなら、今の体形に合った新たな高機能ワイシャツに買い替えてもいいかもしれない。
(文 小沼理=かみゆ、イラスト 室長サオリ)
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