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旭山動物園、坂東元の伝える命

身近な地元の生きもの自慢、できますか

2018/7/15

ところで地元の生きもの自慢、皆さんはできますか?では少し北海道自慢を…。面積7万8千平方km、世界で21番目の小さな島に様々な問題を抱えながらも500万の人と陸上最大の肉食動物ヒグマ5000頭(様々な推計がある)が共存している奇跡の島。周囲12kmの小さな島に100万羽の海鳥が繁殖のために集まる地球上唯一無二の天売島。船上から左を見ればヒグマ、右を見るとシャチが見れる奇跡の知床。世界のバードウオッチャーあこがれのシマフクロウ、オオワシ、タンチョウが同時に見れる世界で唯一の島…。少し誇大な表現のキャッチコピーになりましたがまだまだあります。ちなみに日本の美しい四季を象徴する動物はニホンジカだと思います。

■共存の未来につながる動物園 目指すべき姿

僕はできるだけ毎年、知床と天売島は訪れるようにしています。野生動物たちに対する地元の人たちの理解や関係の変化、野生動物と観光客とをつなぐ観光業に関わっている人たちのスタンスの変化や葛藤…。すごく大切なことを学ばせてもらっています。今年も先月知床に行ってきました。途中、地元の方々がシマフクロウの保全活動を行っているコロカムイの会も訪ねました。コタンコロカムイ、アイヌの人たちが村の守り神として共存していた時代を彷彿(ほうふつ)とさせます。特別な存在なんだけど日常の中でお互いが緊張せずに共存しています。知床はやはりまずは知床財団。日本で唯一銃を持ち保全活動を行っている組織です。自然界と人間界の折り合いを探りバランスをはかっています。世界自然遺産知床の様々な調査研究、観光客や地域の人たちの安全確保、野生動物との関わり方の教育活動…。さらには環境省元レンジャーや元漁師さんが行っている観光活動。皆さん未来を真剣に考えています。

今回もたくさんの刺激をもらいました。動物園だからこそ具体化できること、伝えられることはまだまだあります。と言うかまだまだ未熟すぎます。人といきものたちとの関わりの最前線で様々な形で頑張っている人たちの活動を、より多くの人に知ってもらうこと、気づいてもらうこともできるはずです。共存の未来につながる動物園、やはりこれが目指すべき動物園像なんだと思いを新たにしました。

坂東元(ばんどう・げん)
(撮影・桜井省司、提供:株式会社LEGiON)

1961年旭川市生まれ。酪農学園大学卒業、獣医の資格を得て86年から旭山動物園に勤務。獣医師、飼育展示係として働く。動物の生態を生き生きと見せる「行動展示」のアイデアを次々に実現し、旭山動物園を国内屈指の人気動物園に育てあげた。2009年から旭山動物園長。

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