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グロソブも利息収入2%弱 米金利高で外債投信に注目 QUICK資産運用研究所 清家武

2018/7/4

同3位の「UBS世界公共インフラ債券投信(通貨選択型)円コース(毎月分配型)」の最終利回りも3.16%と高め。電力・ガス・水道事業などを手掛ける公益企業などが発行する債券に投資している。

■投資回収期間が長いほど大きい価格変動リスク

一般に金利が上昇すると債券価格は下落する。実際の運用成績にはこれに為替変動の要素が加わるが、上位3ファンドの2年間の騰落率(分配金再投資ベース)を見ると、グローバル・ソブリン・オープンは2.50%、UBS世界公共インフラ債券投信は1.11%、それぞれ下落した。一方、野村PIMCO・世界インカム戦略ファンドは4.38%上昇した。これは他のファンドと比べてインカムゲインが高いためだ。

それでは、修正デュレーション(運用会社によっては開示資料でデュレーションと記載)を見てみよう。デュレーションとは債券に投資した金額が利子と償還金で回収できるまでの期間、つまり「債券投資額の平均回収期間」を示す。また、通常は投資の回収期間が長いほど、利回りの変化に対して債券価格の変動が大きくなるので、リスク指標としても使われる。

例えば、デュレーションが7.9(年)のグローバル・ソブリン・オープンは理論的には利回りが1%上昇(低下)すると、債券価格が7.9%下落(上昇)。一方、デュレーションが2.8(年)の野村PIMCO・世界インカム戦略ファンドは利回りが1%上昇(低下)すると、債券価格が2.8%下落(上昇)することを意味する。金利の動きが安定するとの見方から各ファンドのデュレーションは短期化している。修正デュレーションはファンドの月次運用リポートに最終利回りなどと併記されているので、チェックしてみてはいかがだろう。

海外債券型ファンドは高い金利収入が期待できると同時に、為替変動リスクを負うことになる。運用における為替の影響を探ってみた。図表3は、外貨運用の成果(トータルリターン)を金利収入(累積)と為替の評価損益に分解したものである。

■インカムゲインの蓄積が為替損失をカバー

過去10年間(2008年5月末~18年5月末)、米ドルで運用した場合、為替の評価損益が4%のプラス、金利収入の蓄積が28%のプラスとなり、為替、金利ともプラスに寄与したため、トータルリターンは32%のプラスとなった。一方、豪ドルで運用した場合、為替の評価損益は26%のマイナスになったものの、金利収入の蓄積が45%のプラスとなり、トータルリターンは19%のプラスとなった。

このように、外貨運用は高い金利収入が蓄積されることで、為替変動による損失をある程度カバーすることが期待できる。また、利回りの高さと運用年数の長さによって、損失発生の分岐点を低くすることも可能となる。

外貨運用おける為替変動の損益分岐点を求める計算式は「現在の為替(円)÷{(1 +利回り)年数の累乗}」だ。例えば、1米ドル=110円で利回り3%の米国債券に投資した場合、5年後の損益分岐点は110円÷{(1+0.03)×(1+0.03)×(1+0.03)×(1+0.03)×(1+0.03)}=94.9円となる。同じように計算すると、10年後は81.9円。投資期間が長いと損益分岐点は下がる。損益分岐点を把握することは投資家にとって、「どこまで円高になれば、利益がなくなるか」という判断材料にできる。

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