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米利上げも円売り鈍く 終了時期にらみ円高意識 貿易戦争によるリスクに注意

2018/7/8

写真はイメージ=PIXTA

 米連邦準備理事会(FRB)が6月中旬、政策金利の引き上げを決め、年内の利上げペースが加速するとの見通しも示した。日米金利差の拡大から円安・ドル高が進むとの見方もあったが、実際にはその勢いは鈍い。米利上げが円売り・ドル買いを促す力が弱まってきたように見える。その理由を考えてみた。

 FRBが今年2回目となる利上げ(0.25%)を決めたのは6月13日。フェデラルファンド(FF)金利の誘導水準を1.75~2.0%にした。同時に年内にもう2回の追加利上げ(合計0.5%)が決まるとの見通しも示した。

 従来見通しで2018年の利上げ回数は3回(合計0.75%)。それが4回(同1.0%)に増える方向になったのだ。普通なら円安・ドル高圧力がかかりそうな状況だ。ところが、その後のドル・円相場は1ドル=109~110円台での方向感のない展開となった。一体どういうことか。

■循環的には転機か

 米中の貿易戦争が激化するとの懸念から円買い圧力がかかりやすくなったのは事実だ。経済や市場の混乱要因が出てくると、「安全通貨」と目される円が買われる傾向にある。だがそれだけではないだろう。15年12月に米国の利上げが始まってから2年半が過ぎ、その円売りを促す力に衰えが見え始めたようなのだ。

 図Aを見ていただきたい。利上げ決定の前日と翌日のイールドカーブ(異なる期間の金利を結んだ線)である。先行き利上げが加速しそうなら、長めの金利を上げる力が働いてもおかしくない。曲線の傾きが急になるということだ。

 実際には曲線の傾きはわずかだが平たんになった。利上げに引きずられて期間が短い金利は平常通り上がったものの、長めの金利はむしろ下がったのだ。こうなると単純に円売り・ドル買いを増やしにくい。

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