そこからギター自体に凝り始めて、次に買ったのが、隣の、花柄のピックガードが付いたギターでした。これも、かなり大きめのサイズ。あのボブ・ディランと同じ型のギターなんですよ。
これを買ったのは、大阪でした。番組の宣伝で大阪に行ったときに、『いい楽器屋さんがある』と聞いて、わざわざ延泊して、行ってみたんです。そのお店で『あ、ボブ・ディランのだ!』と気付いて、見ていたら、『触ります?』と言われて。『いや、高いから!』と遠慮したんですけど、『一回、触ってみてください』と勧められて弾いたら、『いい音~!』となって(笑)。倍音の響きがすごく良くて、弾き語りすると、歌によく合う感じなんですよ。そして弦高が低くて、私には弾きやすい。それでまんまと購入することになって、付属の派手なクロコダイル皮のハードケースに入れて、『重いなっ、重いなっ』って言いながら、大阪から持って帰りました。
真ん中の子は、もともと持っていたギターです。そんなに高いものじゃないんですけど、外国のおじいちゃんが道端で弾いている感じの、ちょっとカントリーな音が出る。すごく親しみの持てる音がします。
奥にあるのが、エレキ。これは「スギ・ギターズ」という日本の職人さん(杉本眞氏)が作っているギターで、エレキだけど、音質も含めて上質で、味わいがすごく深い。私のちょっと枯れてる声に合うなと思いました。って、ギターの話を語り出したら止まらないんですけど(笑)」

そんなエライザさんの憧れのギタリストとは。また、彼女をそこまで熱くさせるギターの魅力とは?
「好きなギタリストは、おじいちゃんです。母方のおじいちゃんが映画俳優で、ギターを片手に、フィリピンでコメディをやってたんです。わりとハゲてるおじいちゃんなんですけど、スパニッシュギターを弾いているときは、すごく艶っぽくてカッコイイ。憧れてます。
ギターの魅力は、お芝居と一緒で、限界がないところです。やってもやっても納得がいかないし、いくらでも上がいるから、いくらでもがんばれる。『終わりがないな』と思わせてくれるから絶望しないし、希望が湧いてくる。女性だからって、言い訳させてくれないのも、ギターの魅力だと思います」

アヒルの「ジョセフィーヌ」と乗り越えた主演第2作
18年7月7日公開の主演映画は「ルームロンダリング」。自殺や他殺などが起きたワケあり物件に短期で住み、そのブラックな履歴を帳消しにする「ルームロンダリング」のアルバイトを始め、部屋に居座る未練たっぷりの幽霊たちとルームシェア生活を送る20歳の「人生こじらせ真っ最中」御子(みこ)を演じる。
「原作モノではなく、オリジナル脚本の作品です。初めて脚本を読んだときは、すごく素敵(すてき)な話だなあと思いました。聞くと、監督と脚本家の男性2人が、居酒屋で『みんなが怖いと思っているお化けにも、こういう人がいるかもしれないね』とか『人付き合いが苦手な人って、こういう気持ちがあるよね』と話しながらできていったと。それを聞いて、なおさら心が温かくなったというか。好きだなあ、いとおしいなあ、と思いました。