ホホジロザメが快適生活 外洋の知られざる豊穣の海

日経ナショナル ジオグラフィック社

ナショナルジオグラフィック日本版

オーストラリア、ネプチューン諸島周辺の海を泳ぐホホジロザメ(PHOTOGRAPH BY BRIAN J. SKERRY)

ホホジロザメの生活は、その悪名の高さにもかかわらず、まだよくわかっていない。主にどこで時間を過ごしているのか? 彼らの不思議な動きは何によるものなのか? 幼魚のころは餌の多い沿岸にいることが多いのに、成魚になると遠い外洋に向かっていくのはなぜか? これらの疑問に対し、新たな研究成果が手がかりを与えてくれた。

学術誌「サイエンティフィック・リポーツ」に最近掲載された研究で、科学者チームは高精度の衛星発信器(サテライトタグ)を使い、2匹のメスのホホジロザメ「メアリー・リー」「リディア」を大西洋西部で追跡した。その結果、2匹が外洋に出ると、高気圧性渦と呼ばれる暖水渦に潜って長時間を過ごしていることが判明した。全体として、4分の3以上の時間をこうした渦の中で過ごしているらしい。

著者の1人で、マサチューセッツ工科大学(MIT)とウッズホール海洋研究所の博士課程学生であるカムリン・ブラウン氏によると、2匹のサメは、追跡した日数の最大40%を水深600フィート(約183メートル)以深で過ごしていたという。

これは研究チームにとって驚きの結果だった。一般に、こうした暖水の渦は生物があまり多くないと考えられており、したがって獲物も少ないはずだからだ。

「当初、みんな首をかしげていました」とブラウン氏は振り返る。

獲物の宝庫「トワイライトゾーン」

だが、最近の研究により、これまでの見解は修正を迫られている。

一見、生命にあふれているようには見えない場所も、科学者たちが詳しく調べた結果、予想よりもずっと多くのことがわかってきている。

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