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ホホジロザメが快適生活 外洋の知られざる豊穣の海

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NIKKEI STYLE

ナショナルジオグラフィック日本版

ホホジロザメの生活は、その悪名の高さにもかかわらず、まだよくわかっていない。主にどこで時間を過ごしているのか? 彼らの不思議な動きは何によるものなのか? 幼魚のころは餌の多い沿岸にいることが多いのに、成魚になると遠い外洋に向かっていくのはなぜか? これらの疑問に対し、新たな研究成果が手がかりを与えてくれた。

学術誌「サイエンティフィック・リポーツ」に最近掲載された研究で、科学者チームは高精度の衛星発信器(サテライトタグ)を使い、2匹のメスのホホジロザメ「メアリー・リー」「リディア」を大西洋西部で追跡した。その結果、2匹が外洋に出ると、高気圧性渦と呼ばれる暖水渦に潜って長時間を過ごしていることが判明した。全体として、4分の3以上の時間をこうした渦の中で過ごしているらしい。

著者の1人で、マサチューセッツ工科大学(MIT)とウッズホール海洋研究所の博士課程学生であるカムリン・ブラウン氏によると、2匹のサメは、追跡した日数の最大40%を水深600フィート(約183メートル)以深で過ごしていたという。

これは研究チームにとって驚きの結果だった。一般に、こうした暖水の渦は生物があまり多くないと考えられており、したがって獲物も少ないはずだからだ。

「当初、みんな首をかしげていました」とブラウン氏は振り返る。

獲物の宝庫「トワイライトゾーン」

だが、最近の研究により、これまでの見解は修正を迫られている。

一見、生命にあふれているようには見えない場所も、科学者たちが詳しく調べた結果、予想よりもずっと多くのことがわかってきている。

2014年のある研究では、「トワイライトゾーン」という水深200~1000メートルにいる魚の量は、従来推定の10倍に上ると見積もっている。ニューヨーク・タイムズ紙によれば、世界中のトワイライトゾーンのバイオマス(生物量=一定範囲内の生物の現存量、ここでは魚の量のこと)は、地球上の海産物の漁獲量の100倍に等しいという。

また、大西洋のさまざまな地点でバイオマスを推定した別の研究では、暖水の渦で値が最も高くなることがわかっている。

今回の研究は、別の点でも驚きである。米ワシントン大学応用物理研究所(APL)の上席海洋学者で、研究を主導したピーター・ガーベ氏は、ホホジロザメについて「事実上の温血動物であり、餌を消化するには体温を水温より高く保つ必要があります」と話す。

深く潜ると、冷たい水に体をさらすことになる。したがって、ホホジロザメがそのような行動を取るには、もっともな理由がなくてはならないとブラウン氏は指摘する。研究チームとしては、ホホジロザメが深く潜る理由として、イカなど豊富な獲物にありつくためではないかと考えていると同氏は続けた。

暖水渦は、周囲の海よりわずかに温度の高い海流が交わることで作られる。渦の中では熱が通常よりも深く入り込み、トワイライトゾーンまで届く。

米海洋漁業局のサメ専門家で、今回の研究には関わっていないトビー・カーチス氏は、暖水渦のこうした構造のおかげでホホジロザメは比較的簡単に深海に潜ることができ、体を冷やすことなく餌を取れるのではないかと考えている。

「この研究は、餌が豊富な沿岸部からこんなにも離れて、ホホジロザメがどうやって生きているのかを説明する一助になります」とカーチス氏は話している。

イカの動きと一致

この研究で取り上げられたメスのホホジロサメ2匹は、それぞれ2012年と2013年に、追跡タグが着けられた。タグには平面上の位置を記録する装置がついており、リディアには、水温と水深を測るタグも取り付けられている。これにより、研究者は大西洋での動きを3次元で追跡できるようになった。

今回、科学者チームが乗った船は、OCEARCH(オーサーチ)という非営利組織が運用している。世界中の海を泳ぎ回るホホジロザメをリアルタイムで追跡している団体だ。

全体的な追跡結果によると、ホホジロザメは、日中は海中に潜っている時間が長く、夜は海面近くにいる時間が長いらしい。これは、イカなどの獲物が毎日移動するパターンと一致しており、ホホジロザメが餌を追っていることが推測される。

2匹のサメから得られたデータは、決定的だとみなすことはできないものの、ブラウン氏も共著者となった昨年の論文で集めた情報と一致している。この論文は、外洋に向かったホホジロザメが、ほとんどの時間を水深600フィートよりも深い海で過ごしていることも明らかにしており、おそらく狩りのためと考えられている。

「これらの研究結果は、他のホホジロザメや、こうした沖合の生息域を利用している他の大型捕食者にも当てはまる可能性が高いと考えています」とカーチス氏は話している。

(文 Douglas Main、訳 高野夏美、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック ニュース 2018年6月22日付]

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